繁殖形態 繁殖のしやすさ とても簡単

卵胎生の魚の殖やし方

かんたんに言うと

メスが体内で卵を孵化させ、泳げる状態の稚魚を産む。卵の管理が要らないぶん最も簡単で、繁殖の入門に向く。

卵胎生の魚は、卵ではなく泳げる状態の稚魚を産みます。繁殖でいちばん難しいのは卵の管理(水カビ・無精卵・孵化までの水質維持)ですが、その工程がまるごと存在しません。オスとメスを同じ水槽に入れて適切な水温を保つだけで、放っておいても殖えます。家庭繁殖の入門として最初に選ぶべきグループです。

卵胎生の要点

  • 産卵床も、卵を隔離する容器も要らない。稚魚は産まれた時点で泳ぎ、すぐ餌を食べる。
  • メスは一度の交尾で複数回分の精子を体内に貯める(貯精)。オスを取り出した後も出産が続くため、「オスを買っていないのに稚魚が産まれた」ということが起きる。
  • 親と同居魚は稚魚を食べる。これが最大の課題で、隔離するか水草で隠れ家を作るかの判断が要る。
  • 約1か月ごとに産み続けるうえ、次の世代も数か月で成熟する。増加は指数的なので、繁殖を始める前に引き取り先を決めておくこと。

向いている人

繁殖をやったことがない人。とにかく殖やしたい人。

最大の注意点

殖えすぎて破綻するのが最大のリスク。「殖やせるか」ではなく「捌けるか」を先に考えること。

卵胎生で繁殖する魚

グッピーのオス。派手な体色と大きな尾ビレはオスの特徴で、メスは地味な体色をしている。 卵胎生

グッピー

Poecilia reticulata

オスとメスを一緒に飼うだけで殖えます。成熟したメスは約1か月おきに30〜50匹を産み、家庭繁殖では最も簡単な部類です。

単価 140円〜
繁殖のしやすさ
育てやすさ
プラティ。グッピーと違い、オスもメスも同じ体色をしている。 卵胎生

プラティ

Xiphophorus maculatus

グッピーと同じくらい簡単に殖えます。オスもメスも同じ体色なので、メスも売り物になるのが違いです。

単価 173円〜
繁殖のしやすさ
育てやすさ
エンドラーズのオス。体長25mmほどの小さな体に強い発色を載せる。 卵胎生

エンドラーズライブベアラー

Poecilia wingei

親が稚魚をほとんど食べないので隔離が要らず、放っておいても殖えます。ただしグッピーと交雑します。

単価 250円〜
繁殖のしやすさ
育てやすさ
ソードテール。奥のオスは尾の下葉が剣のように伸びる。手前はカリコ模様の個体。 卵胎生

ソードテール

Xiphophorus hellerii

放置でどんどん殖える卵胎生の定番。プラティと交雑して雑種になりやすく、増やすほど値が付かない「ミックス」に沈むのが難点です。

単価 172円〜
繁殖のしやすさ
育てやすさ
ブラックモーリー。単一の種ではなく、黒を固定した交雑改良品種。写真はライヤーテール型。 卵胎生

モーリー

Poecilia sphenops

藻や油膜を食べて多産ですが、硬水・塩・大きな水量を要し、よろけ病にも弱い難物。単価は200円台で、採算は卵胎生で最も取りにくい魚です。

単価 192円〜
繁殖のしやすさ
育てやすさ