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生体の通販での買い方・死着補償の読み方

かんたんに言うと

繁殖の成否は、買う前の「稚魚か成魚か・何匹買うか」と、届いた当日の受け取り方でかなり決まります。死着補償は思ったより守備範囲が狭いので、条件を読み、対面受け取り・開封前の撮影・当日連絡を徹底するのが実質的な保険です。

繁殖を始めるには、まず種親を手に入れます。近所の専門店で選べるのが理想ですが、品種や種類を選ぶと通販に頼ることが多くなります。ところが生体の通販は、服や本の通販とはルールがまるで違います。選び方・注文の仕方・受け取り方を知らないと、繁殖の第一歩でつまずきます。せっかくの種親を、最初の数日で失わないための実務をまとめました。

この記事が扱うのは「選ぶ → 注文する → 受け取る(死着補償)」までです。到着後の水合わせは工程が多いので、水合わせ・温度合わせのやり方に分けています。

選ぶ ― 稚魚か成魚か、何匹か

稚魚か成魚か(最大の分岐点)

稚魚(SS〜Sサイズ)成魚(M〜MLサイズ)
体長の目安1〜2cm2〜4cm
単価安い高い
雌雄の判別ほぼ不可できることが多い
採卵の開始早くて翌シーズンその年のうちに可能
輸送のリスク高い低い

結論今シーズンから繁殖に回したいなら成魚。夏に稚魚を買うと、成魚化が秋・産卵開始が翌春になり、実質1シーズン遅れます。逆に「今年は練習」と割り切るなら、稚魚は安く選別と育成の教材として優秀です。

成長段階の呼び方

通販のタイトルで迷いやすいので、先に整理します。まず「生体」は「生きている個体」の意味で、大人という意味ではありません(対義語は「卵」)。大きさは別途サイズ表記を見ます。

呼び方サイズの目安状態
針子(はりこ)〜1cm孵化直後。最も落ちやすい
稚魚 SS〜S1〜2cm雌雄の判別はまだ難しい
若魚 M2〜3cmメスが産卵を始めるころ
成魚 ML〜L3〜4cm完全な産卵サイズ

※サイズは種類によって変わります。上はメダカを念頭にした目安です。

「未選別」と固定率

未選別とは、良個体もハネ(表現が出ない個体)も混ざった状態のこと。選別は買い手がやります。安いのには理由があって、選別の手間と育て切るリスクを買い手が引き受けているからです。

そもそも改良品種は「その品種の親から採っても、全部が同じ表現になるとは限らない」性質があります(固定率)。品種によっては2割前後がハネになる前提で、必要数を逆算します。「良い親を買ったのに思った表現が出ない」は、店の落ち度ではなく品種の仕様であることが多い、と理解しておくとトラブルになりません。

雌雄の偏りは「頭数」で潰す

多くのショップが「雌雄が偏る場合があります」と了承事項に入れています。実際に偏ります。10匹買ってオスが8匹なら、種親のペアは2組しか組めません。

20匹以上買えば、(雌雄がランダムに混じっているぶんには)メスが極端に少なくなる確率はぐっと下がります。ただし注意点があって、メダカは発生初期の高水温でオスに偏ることが知られています。そうやって育ったロットはそもそも全体がオス寄りなので、頭数を増やしても比率は改善しません。それでも、数を確保しておくほど選別の余地は広がります。ここに固定率のハネと輸送死も重なるので、逆算すると繁殖目的なら20〜30匹スタートが現実的な線です。「秋に種親として使えるのが15〜20匹残れば上出来」くらいに見ておきます。

注文する ― 送料と店の見極め

送料の罠

生体の送料は1回あたり千円前後が相場で、少量だと商品代の3〜4割を送料が食うことがあります。効くのは「同じショップの送料無料ラインまで積む」こと。数字にすると分かりやすいので、あくまで一例として(価格は店・時期で変動します):

  • 1セット 2,480円 + 送料 1,080円 = 3,560円(1匹あたりが割高)
  • 2セット 4,960円 + 送料 0円4,960円(1匹あたりは約3割安)

同じ店が複数のモール(Yahoo!ショッピング・Amazon・楽天など)に出していることも多く、クーポンやポイント還元で総額が1,000円単位で変わることがあります。同じ商品を見つけたら比較する価値があります。

店の見極め

  • レビューは件数と中身を見る。3〜5件では判断材料になりません。★の数より内容を読み、「色が出ていない」は品種の仕様、「梱包が雑・死着が多い」は店の問題、と切り分けます。
  • ストア全体の評価件数も見ます。運用実績が厚い店ほど、梱包・発送・補償対応が安定している傾向があります。
  • 発送方法と補償条件を注文前に読みます(次章)。ここを明記していない店は避けたほうが無難です。

受け取る ― 死着補償の本当の中身

生体通販には死着補償が付くのが普通ですが、条件を読むと守備範囲は思ったより狭いです。

「+α」が補償の実体です。多くの店が「注文数に+αして発送し、+α分の死着は補償外」とします。つまり20匹注文で22匹届き、2匹落ちていても「20匹生きているのでOK」で終わり、追加補償は出ません。代替品が出るのは、生存数が注文数を割ったときだけです。

さらに、以下のような対象外条件が共通してみられます。注文前に必ず読んでください。

  • 到着日中に連絡がなかった
  • 袋を開封してしまった(=開封前の証拠がない)
  • 画像・動画が確認できない
  • 到着が翌々日になる地域、受け取りが発送翌日以降になった
  • 水合わせ中の死亡(=到着後は自己責任)

要するに補償は当てにしすぎず、受け取り当日の手順を守ること自体が実質的な保険になります。

受け取り当日の手順

1

在宅できる日を指定し、置き配は切る

注文時に確実に受け取れる日を選び、置き配・宅配ボックスは必ず切って対面受け取りにします。玄関先に数時間置かれるだけで、夏は高温、冬は低温で全滅しえます。

コツ夏場は「午前中指定」が鉄則。夜間指定だと配送センターで一日高温にさらされます。

注意多くのショップは「受け取りが発送翌日以降」「翌々日着の地域」を補償の対象外にしています。最短で受け取れる日時を選んでください。

2

開封する前に、袋のまま撮る

届いたら開封前に、袋のまま明るい場所で写真と動画を撮ります。死着補償はほぼ例外なく「開封前の証拠」を求めるためで、袋を開けた瞬間から自己責任に切り替わります。

3

袋越しに匹数を数え、死着を写し込む

袋越しに生体の数を数え、死んでいる個体があればそれが分かるように撮影します。あとで「何匹届いて何匹落ちていたか」を示せる状態にしておきます。

4

不足があれば、その日のうちに連絡する

死着や数量不足があれば、到着当日中にショップへ写真付きで連絡します。

注意「到着日中に連絡がなかった場合は補償対象外」がほぼ共通の条件です。日をまたぐと無効になります。

5

問題なければ水合わせへ

数がそろっていることを確認したら、いよいよ水槽・容器へ入れます。ここからは急がず、温度合わせと段階的な水足しを行う「水合わせ」に進みます。

コツやり方は別記事にまとめています。エビや敏感な魚は特に慎重に。

この先は「水合わせ」へ

数がそろっていることを確認したら、水温・pH・水質を少しずつ慣らしてから水槽へ移します。急ぐと、せっかく無事に届いた生体をここで落とします。手順は水合わせ・温度合わせのやり方にまとめています。

よくある質問

今年から繁殖させたい。稚魚と成魚どちらを買う?
今シーズンのうちに産卵まで回したいなら成魚一択です。夏に稚魚を買うと、成魚になるのが秋、産卵開始は翌春になり、実質1シーズンぶん遅れます。「今年は練習」と割り切るなら、稚魚は安く、選別と育成の練習台として優秀です。
「生体」って大人の魚のこと?
いいえ。「生体」は「生きている個体」の意味で、対義語は「卵」です。大人という意味ではありません。大きさは「サイズ(SS・S・M・Lなど)」で別に表記されるので、そちらを見てください。
「未選別」は安いけど大丈夫?
未選別は、良個体もハネ(表現が出ない個体)も混ざった状態のことです。選別作業は買い手がやります。安いのは、選別の手間と育て切るリスクを買い手が引き受けているからです。10匹買って表現がしっかり出るのが半分あれば上出来、くらいに見ておくとよいです。
何匹くらい買えばいい?
繁殖目的なら20〜30匹スタートが現実的です。10匹だと雌雄が偏ってペアが組めないことがあり、そこへ輸送死や表現の出ないハネが重なると、種親として使える数が足りなくなります。20匹以上あれば、ランダムな偏りでメスが極端に少なくなる可能性はぐっと下がります。ただし、高水温で育ったロットのように全体がオス寄りになっている場合は、頭数を増やしても比率は直りません。それでも数を確保するほど選別の余地は広がります。
送料が高い。安くする方法は?
同じショップの「送料無料ライン」まで買い足すのが最も効きます。生体の送料は1回あたり千円前後かかることが多く、少量だと商品代の3〜4割を送料が占めることもあります。1セットを2つに増やして送料無料にした方が、1匹あたりは安くなる場合があります。また同じ店が複数のモール(Yahoo!ショッピング・Amazon・楽天)に出店していることが多く、クーポンやポイント還元で総額が変わるので比較する価値があります。
死着補償があれば安心して買える?
条件をよく読んでください。多くの補償は「注文数に+αして発送し、+α分の死着は補償外」という形で、追加補償が出るのは生存数が注文数を割ったときだけです。さらに「開封後」「水合わせ中の死亡」「到着日に連絡なし」などが対象外になっているのが一般的です。補償は当てにしすぎず、受け取り当日の手順(対面受け取り・開封前撮影・当日連絡)を守ることが実質的な保険になります。
情報源・注記

成長段階の呼び方・未選別・固定率・雌雄の偏り・送料の考え方・死着補償の条件・受け取り当日の手順は、生体を扱う通販ショップの商品ページ・補償規定・発送案内でよく見られる記述をつき合わせて一般化したものです。補償の具体的な条件・送料・+αの数量は店ごとに異なりますので、必ず購入前に各ショップの規定を確認してください。金額は説明のための一例で、相場は時期・地域・種類で変動します。

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