毛糸を束ねる
黒などの暗い色のアクリル毛糸を、指4本に5〜6回巻いて10cmほど余らせて切り、指から抜いて一か所を玉結びにします。巻数を増やすほどふさふさになり、卵の産みつく面が増えます。
コツ色は黒・濃緑が好まれるとされます(明色より産みつけやすいという経験則。対照実験の裏づけは確認できませんでした)。
かんたんに言うと
産卵床は魚が卵を産みつける足場で、親による卵の食害を防ぎ、回収を楽にする道具です。メダカは水面に浮かべるタイプ、卵をばらまくテトラ類は底に沈めるモップやモスと、繁殖タイプで選び分けます。
産卵床の役割は大きく3つです。①卵を回収しやすくする(産卵床ごと取り出して隔離できる)、②親からの食害を防ぐ(多くの魚は自分やほかの魚の卵を食べる)、③産卵の足場・誘発(ふさふさした素材が水草の茂みを模し、産卵を促す)。繁殖タイプによって、この道具の意味がまるで変わります。
同じ「産卵床」でも、狙いが正反対になります。
| タイプ | 代表 | 産卵床の役割 |
|---|---|---|
| 水面に産着 | メダカ | 水面付近に浮かべて卵を産みつけさせ、房ごと回収 |
| 卵をばらまく | テトラ・ダニオ・バルブ | 底に沈めて卵を親から隔て、食べられるのを防ぐ |
| 泡巣を作る | ベタ・グラミー | 産卵床は使わない。浮き草を泡巣の土台にする |
| 種類 | 長所 | 短所 |
|---|---|---|
| ホテイアオイ(浮き草) | 根が産卵床になり産みつき率が高い/水質浄化 | 卵が見えにくい/繁茂・冬越しの管理が要る |
| シュロ(天然繊維) | 繊維がほぐれ産みつけやすい/安価/水を汚しにくい | 卵が見つけにくい |
| 毛糸・化繊の自作 | 安価(100均)で量産できる/色を選べる | 無毒の素材(アクリル等)を選ぶ必要 |
| 市販ネットタイプ | 卵が見つけやすい/浮くので回収が楽 | 市販品ぶんのコスト |
自作する場合と、買って済ませる場合。どちらでも産卵します。
| 用意するもの | 用途 | 目安 |
|---|---|---|
| アクリル毛糸(暗い色) | 房になる本体。100均で足ります | 百円台 |
| 浮力体 | ペットボトルの蓋・納豆パックの蓋など。買わずに済みます | 0円 |
| ハサミ・キリ(穴あけ) | 房に開く/浮力体に穴を通す | 手持ちで可 |
| 市販の産卵床(ネットタイプ) | 作らずに済ませる場合。卵が見つけやすく回収が楽 | 数百円〜 |
| ホテイアオイ・シュロ | 買わなくても代用できる自然素材。すでに浮かべているなら今日から使えます | 百数十円〜/0円 |
| 隔離容器 | 回収した卵を親から離す先。タッパーで足ります | 百円台 |
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根がそのまま産卵床になり、日除けと水質浄化も兼ねる。無農薬表記のものを選ぶこと(残留農薬でメダカを死なせる事故がある)。生ものなので季節と状態のばらつきはある。
すでにホテイアオイを浮かべているなら、それが産卵床です。買い足す前に、まず根の周りを確認してください。ただしホテイアオイの根は卵が見つけにくいのが弱点で、そこが市販ネットタイプとの分かれ目になります。孵化したあとの容器と設備はメダカの針子を育てる容器と設備へ。
黒などの暗い色のアクリル毛糸を、指4本に5〜6回巻いて10cmほど余らせて切り、指から抜いて一か所を玉結びにします。巻数を増やすほどふさふさになり、卵の産みつく面が増えます。
コツ色は黒・濃緑が好まれるとされます(明色より産みつけやすいという経験則。対照実験の裏づけは確認できませんでした)。
玉結びの反対側にハサミを入れて輪を切り、房状に広げます。先を不揃いに散らすと水草らしくなじみます。
注意ほつれた糸を水中に散らさないよう、作ったあと軽くすすいでください。
納豆パックの蓋やペットボトルの蓋を小さく切り、中央に穴を開けて毛糸を通し玉結び。水面付近に浮くようにします。
コツ房(暗色)はそのままに、浮力体は白でも構いません。
水面付近に浮かべると、メスがお腹の卵を擦りつけて産着させます。卵が付いたら房ごと隔離容器へ移します。
コツ数個入れて産卵床を選ばせると産みつき率が上がります。
テトラ・ダニオ・バルブなど、卵をばらまいて底に落とす魚向け。
本や板など「長さの型」に、100%アクリルなど無毒の毛糸を40〜100回巻いて切ります。巻数で密度が決まり、房が濃いほど卵が絡んで親から守られます。
注意柔軟剤・染料が落ちる毛糸は避け、必ず石けんを使わず水道水でよくすすいでから使います。
別の毛糸(30〜60cmほど)で、巻いた束の片端を二重にきつく縛ります。緩いと束がばらけます。
型から外し、結び目の反対側の輪を切って房状に広げ、長さを不揃いにトリミングします。
結び目側にコルク(浮かせる)か小石(沈める)を結びます。テトラの卵は粘着質なのでモップやウィローモスに絡み、ダニオの卵は非粘着なので網(メッシュ)や底のビー玉で下に落とし込むほうが確実です。
注意これらの魚は卵を食べるので、モップだけに頼らず「産卵後は親を別水槽へ戻す」など親と卵を分ける手段を必ず併用します。
屋外の容器や水草の多い水槽では、卵を目で探すのは効率が悪いです。メダカの卵は直径1mmほどで、水草やアオミドロの茂みに紛れます。だからこそ「探す」のではなく「産みつけさせて、床ごと回収する」——それがこのページで作った産卵床の役目です。卵が見つからないのは失敗ではなく、産卵床がまだ入っていないだけ、ということが多くあります。
針子がいる=産卵はもっと前から始まっている孵化までは積算温度およそ250℃日(25℃で約10日)かかります。泳いでいる針子を見つけたということは、少なくとも10日ほど前から産卵していたことになります。「早すぎるのでは」と感じたときも、実際にはその前から始まっていたと考えるほうが実態に合います。
回収したあとの餌と生存率については針子(稚魚)を餓死させない育て方にまとめています。針子の最大の死因は餓死です。
アオミドロの扱いは割れている屋外で針子が出てくる時期は、糸状藻(アオミドロ)がいちばん繁茂する時期でもあります。「体力のない針子が絡まって動けなくなり死ぬ」という指摘がある一方、「茂みが親からの隠れ家になり、かえって針子が生き残る」という評価もあって、扱いは一致していません。大量発生しているなら減らす(手で巻き取る・餌と直射日光を減らす)、少量なら残す、くらいに考えるのが無難です。
素材の比較・自作手順・卵ばらまき型の隔離は、アクアリウム専門店・メダカ専門店・海外の繁殖解説をつき合わせました。産卵床の色(暗色有利)は複数の解説で一致するものの対照実験の一次データが確認できなかったため「〜とされる」と留保し、卵管理の水道水・メチレンブルーも清潔管理が本質である旨を添えています。孵化日数は積算温度250℃日を基に幅で記載。針子の回収方法(網ではなくスポイト)・卵と針子で水を使い分けること・親と同居できる体長1.5cmの目安は、複数のメダカ専門解説で一致しますが、いずれも実務上の目安であり対照実験ではありません。アオミドロは「針子が絡まって死ぬ」「隠れ家になって生き残る」で評価が割れているため、両論のまま記載しています。主な参照先:東京アクアガーデン、AQUALASSIC、姫めだか、wanchan.info、Aquarium Co-Op、Practical Fishkeeping、スペクトラム ブランズ ジャパン(旧テトラ ジャパン)、メダ活のススメ、めだかやベース、となりのカインズさん。