産着卵 シクリッド 親が稚魚を食べる

ラミレジィの繁殖

Mikrogeophagus ramirezi / Ram Cichlid

かんたんに言うと

見た目は高級魚ですが、改良個体が1匹千円ほどで大量に出回り、買った親が繁殖しないことも多く、個人が売る余地はほぼありません。

野生型のオス。赤い目、黒い体側斑、青いラメ、伸びた背ビレの棘が特徴。日本で売られるのはブルーダイヤモンドやバルーンなどの改良個体が中心で、この野生型はほとんど流通しない。

撮影: Sven Kullander / CC BY-SA 4.0

繁殖のしやすさ

難しい

1回の産仔数

150〜300

初産は少なく、成熟したメスほど多く産む

実売単価(1匹)

970〜2,020

通販・店頭の実売。あなたが売るときの競合値でもある

ラミレジィは、赤い目と青いラメをまとった美しい小型シクリッドです。アピストグラマと並ぶ「高単価シクリッド」で、店頭では1匹1,000〜2,000円、プレミアム品種なら5,000円します。同じ高単価種として、アピストとの違いと共通点の両方がはっきり出る魚です。

繁殖の仕方はアピストと対照的です。アピストが狭い洞窟にこもってメス単独で子育てするのに対し、ラミレジィは平らな石の上にオープンに産卵し、オスとメスが対等に卵と稚魚を世話します。両親が並んで卵に新鮮な水を送り、稚魚の群れを一緒に守る姿は、この魚の最大の見どころです。産卵数も150〜300個とアピスト(40〜80個)より多い。

ところが採算という点では、アピストよりさらに厳しいのです。理由が3つあります。

ひとつめ。改良品種が安く大量に出回っています。通販では、ブルーダイヤモンドやバルーン、ゴールデンといった改良個体が1匹970〜2,020円で常時買えます。東南アジアの大量養殖です。個人が手間をかけて殖やした魚が、この価格と量に価格で割り込む余地はほとんどありません。

ふたつめ。ヤフオクが「個人の販路」ではなく「業者の売り場」になっています。2026年7月に落札を調べると、直近30日で13件ありましたが、その大半がマツヨシワールド(ベトナム産の輸入業者)や不二熱帯魚といった業者の出品でした。個人ブリーダーの出品はほとんど見当たらず、しかもほぼ全部が入札1件=競り合いなしで消化されています。買い手が奪い合っていないのです。

みっつめ。これが決定的です。買った親が繁殖しないことがあります。東南アジアの養殖個体は、発色を早めるためのホルモン処理や近親交配で、繁殖能力を失っていたり、産んだ卵を食べてしまったり、寿命が短かったりすると複数の専門情報源が指摘しています。つまり「繁殖用に親を買ったのに、そもそも殖えない」というリスクが構造的にあります。親代がそのまま損失になりかねません。

産卵させること自体は可能で、繁殖の観察はとても面白い魚です。ただ、売って稼ぐという話になると、安い改良個体の供給過多と業者中心の市場、そして親の繁殖不能リスクが重なって、個人が入り込む余地はアピスト以上に乏しい——それが正直な評価です。

繁殖サイクル

親を用意してから、稚魚が出荷サイズに育つまでの流れ。帯の長さが、その段階にかかる日数の目安です。

  1. 1
    養成 まず、殖える親を手に入れる 30〜90日

    親魚を繁殖できる状態に持っていく

  2. 2
    ペアリング 水温28〜30℃・弱酸性軟水に整える 7〜21日

    オスとメスを合わせる

  3. 3
    産卵・交尾 平らな石にオープン産卵する 1〜2日

    繁殖行動が起きる

  4. 4
    卵の管理 食卵に備える。1〜2回目は失敗が普通 2〜3日

    孵化までの管理

  5. 5
    泳ぎ出し 孵化後5日ほどで泳ぎ出す 5〜7日

    稚魚が泳ぎ始め、餌を食べ出す

  6. 6
    出荷 育てても、売り先は業者に埋まっている 60〜90日

    販売できるサイズに到達

繁殖の手順

1

まず、殖える親を手に入れる

30〜90日

この魚の繁殖は、親選びが最初の関門です。日本で買える改良個体(ブルーダイヤモンド、ゴールデン、バルーン等)は、ホルモン処理や近親交配で繁殖能力を失っていたり、産んだ卵を食べてしまったりすることがあると複数の専門情報源が指摘しています。「繁殖用に買った親がそもそも殖えない」という事態が起こりえます。できれば国内の個人ブリーダーが殖やした個体、ドイツ・チェコ・オランダ産の個体を選ぶと、この確率は下がります。若魚を複数(5〜6匹)飼って、自然にできたペアを使うのが確実です。オスは背ビレの棘が伸びて大きく、メスは腹がピンクに発色します。

メス。オスより背ビレの棘が短く、腹部がピンク〜赤に発色し、黒い体側斑の中に青緑のラメが入る。この腹の色と伸びないヒレで雌雄を見分ける。
メス。オスより背ビレの棘が短く、腹部がピンク〜赤に発色し、黒い体側斑の中に青緑のラメが入る。この腹の色と伸びないヒレで雌雄を見分ける。

撮影: Sven Kullander / CC BY-SA 4.0

注意 安い量産個体は「殖えない親」のことがある。親代がそのまま損失になりえます。

2

水温28〜30℃・弱酸性軟水に整える

7〜21日 29℃

ラミレジィは高水温を要求します。繁殖には28〜30℃を保ってください。低い水温では調子を崩し、産卵もしません。あわせてpH5〜6の弱酸性・軟水に寄せます。原産地ベネズエラのリャノス地方は超軟水・弱酸性・高水温で、それを再現するイメージです。水質の悪化やアンモニア・亜硝酸にとても敏感なので、水槽が十分に立ち上がっていることが前提です。産卵床として平らな石やスレートを置きます。アピストのような洞窟ではなく、開けた平らな面に産むのがこの魚です。

注意 高水温を保てない、水質が不安定、はこの魚では致命的です。

3

平らな石にオープン産卵する

1〜2日 29℃

相性の良いペアが整うと、メスが平らな石やガラス面を口で掃除し、そこに150〜300個の卵を産みつけます。ここがアピストとの決定的な違いです。狭い洞窟にこもるのではなく、開けた場所に産卵し、オスとメスが並んで卵の世話をします。両親が交代でヒレを動かして卵に新鮮な水を送り、近づく魚を追い払います。この共同育児がラミレジィの繁殖のいちばんの見どころです。

コツ アピストは「メス単独育児」、ラミレジィは「両親共同育児」。同じシクリッドでも子育ての形が違います。

4

食卵に備える。1〜2回目は失敗が普通

2〜3日 29℃

卵は2〜3日で孵化します。ただし、ここで最大の壁に当たります。若い改良個体のペアは、産んだ卵や孵ったばかりの稚魚を食べてしまうことが頻繁にあります(食卵)。最初の1〜2回の産卵は全滅することも珍しくありません。数回産卵を繰り返すうちに親が上達して守れるようになる、というのが一般的なパターンです。どうしても稚魚を確保したいなら、産卵した石ごと別の容器へ移し、メチレンブルーを入れてエアレーションで人工孵化させる方法もあります。ただしその場合、両親育児という見どころは失われます。

注意 食卵は「失敗」ではなく、この魚では織り込むべき通過儀礼です。1回で成功すると思わないこと。

5

孵化後5日ほどで泳ぎ出す

5〜7日 29℃

孵化した稚魚は数日間ほとんど動かず、卵黄で過ごします。孵化後およそ5日で自力で泳ぎ出します。ここで初期飼料が要ります。ラミレジィの稚魚はアピストより口が小さいため、最初の2〜3日はインフゾリアやマイクロワームといった極小の餌が要り、その後ブラインシュリンプの幼生へ移ります。両親が稚魚の群れを引き連れて守るので、そのまま同居させて観察できます。

注意 泳ぎ出しの時点でインフゾリアが用意できていないと、口の小さい稚魚は餓死します。産卵前から仕込むこと。

6

育てても、売り先は業者に埋まっている

60〜90日

ここまで来ても、売る段になると厳しい現実があります。通販では改良個体が1匹970〜2,020円で常時売られ、ヤフオクの落札もマツヨシワールドや不二熱帯魚といった業者の出品が中心で、個人ブリーダーの出品はほとんど見当たりません。しかも競り上がりがほぼ起きていません。個人がヤフオクで得られるのは養殖個体並みの1匹467〜800円で、業者がベトナム産のペアを4,980円で流し続ける市場に、価格でも量でも割り込む余地がありません。アピスト以上に、これは「趣味として殖やして楽しむ魚」です。

注意 殖やす前に売り先を確かめてください。この魚の市場は、すでに業者の安い供給で埋まっています。

相場と採算

2026年7月18日時点の調査。相場は品種・グレード・時期で変動します。

実売相場(1匹)

970〜5,000

通販・店頭の実売価格。あなたが買う値段でもあり、売るときの競合でもある=ここに利ざやは出ない

この魚は売って儲かるのか

魚は個人でも許可なく売れます。ただし、売って利益を出すのは簡単ではありません。多くの種は安価な量産個体と競合し、販路・送料・死着といった壁もあります。当サイトはその現実を、腕前ではなく市場の構造の問題として、種ごとに数字で確かめています。くわしくは 繁殖は儲かるのか、自分の条件での試算は採算シミュレーターをどうぞ。

基本データ

ラミレジィの基本データ
繁殖形態産着卵 — 水草・流木・ガラス面に粘着性の卵を産み付ける。卵ごと移動できるので管理しやすい。
別名ドイツラム、ジャーマンラミレジィ、ブルーダイヤモンドラミレジィ、バルーンラミレジィ、ラム
飼育のしやすさ 難しい
成魚サイズ40〜70mm
寿命2〜3年
適水温25〜30℃
繁殖適水温28〜30℃
pH5〜7
最低水槽サイズ40L以上
産卵から孵化まで 2〜3日
稚魚の初期飼料インフゾリアやマイクロワーム(最初の2〜3日)→ブラインシュリンプ幼生
親の隔離 必要(親が稚魚・卵を食べる)
雌雄の見分け方オスは背ビレの前方の棘が長く伸び、体が大きく色も派手。メスは腹部にピンク〜赤の発色があり(抱卵期は特に鮮やか)、黒い体側斑の中に青緑のラメが入る。オスの伸びたヒレとメスのピンクの腹で見分ける。
原産地ベネズエラ、コロンビア
生息環境南米オリノコ川水系、ベネズエラ・コロンビアのリャノス地方。水温27〜30℃、pH5〜6の弱酸性・超軟水で、流れの緩い浅い水域。
入手先 専門店、通販、オークション

混泳相性

相手 相性 理由
カラシン(テトラ類) 良い 中〜上層を泳ぎ温和。高水温・弱酸性を好む点も一致する。ラミレジィを落ち着かせるディザーにもなる。
コリドラス 注意 好む水質は近いが同じ底棲で、繁殖中のラミレジィは底に来る魚を強く追う。繁殖水槽では避ける。
ラスボラ・ヘテロモルファ 良い 上層で温和、高水温・弱酸性を好む点も合う。
アピストグラマ 注意 同じ底棲の小型シクリッドで縄張りが競合する。繁殖を狙うなら同居させない。
エビ(ミナミ・ビー) 避ける シクリッドはエビを食べる。稚エビはまず残らない。
大型シクリッド・肉食魚 避ける 捕食される。

よくある失敗

繁殖そのものより、ここでつまずく人のほうが多いです。

買った親が繁殖しない よく起きる

症状
ペアはいるのに、いつまでも産卵しない。
原因
東南アジアの量産個体は、発色促進のホルモン処理や近親交配で繁殖能力を失っていることがある。Seriously Fish が「繁殖力が乏しい(poor reproductive vigour)」と明言している。
対策
国内の個人ブリーダー由来、またはドイツ・チェコ・オランダ産の個体を選ぶ。安い量産個体は繁殖用としては当たり外れが大きい。

親が卵・稚魚を食べる(食卵) よく起きる

症状
産卵したのに、翌日には卵が消えている。
原因
若い改良個体のペアでは食卵が頻発する。野生種では稀だが、改良種では最初の1〜2回の産卵が全滅することも普通。
対策
数回産卵を繰り返させて親を慣れさせる。確実に採りたいなら、産卵した石ごと別容器へ移してメチレンブルーで人工孵化させる(ただし両親育児は見られなくなる)。

導入直後や水質変化で急に落ちる よく起きる

症状
元気だった個体が、水換えや導入後に突然調子を崩して死ぬ。
原因
ラミレジィは水質の悪化やアンモニア・亜硝酸に非常に敏感で、高水温(28〜30℃)を保てないと免疫が下がる。養殖個体はもともと病弱・短命という指摘もある。
対策
十分に立ち上げた水槽で、28〜30℃を安定して保つ。水換えは少量ずつ。白点病・エロモナスに注意する。

産卵しない(水温・水質)

症状
ペアはいるが産卵の気配がない。
原因
水温が低い、水質が弱酸性・軟水になっていない。この魚は高水温+弱酸性軟水でないと産卵しにくい。
対策
28〜30℃・pH5〜6の弱酸性軟水に整える。平らな産卵床(石・スレート)を置く。

育てたのに売れない よく起きる

症状
手をかけて育てたが、店頭のような値段では売れず、買い手も少ない。
原因
改良個体が通販で1匹970〜2,020円と安く大量供給され、ヤフオクの落札も業者中心。個人の実売は1匹467〜800円で、競り上がりもほぼ起きない。
対策
殖やす前に実際の落札価格と、市場が業者で埋まっている状況を確かめる。趣味として少数を楽しむのが現実的。

知っておきたいこと

この魚は学名が二転三転したことで有名です。1948年に Apistogramma ramirezi として記載され、その後 Microgeophagus、Papiliochromis などいくつもの属を渡り歩き、最終的に1998年、シクリッド分類の第一人者クランダー(Sven Kullander)によって Mikrogeophagus ramirezi に落ち着きました。注意したいのは属名の綴りで、正しくは「Mikrogeophagus」(kが入る)です。「Microgeophagus」(cだけ)という綴りをよく見かけますが、これは無効な綴り変えです。

もうひとつ、名前の紛らわしさがあります。「ボリビアンラム」という魚がいますが、これは Mikrogeophagus altispinosus という別種で、本種(ラミレジィ)ではありません。同じ属の別の魚です。日本で単に「ラミレジィ」「ラム」「ドイツラム」と言えば本種を指し、ボリビアンラムは別商品として区別して売られています。

日本で流通するのはほぼすべて改良ブリード個体(ブルーダイヤモンド、ゴールデン、バルーン、ロングフィンなど)で、原産地ベネズエラの野生型はほとんど出回っていません。

よくある質問

高単価なのに、アピストより儲からないのですか?
はい、正直に言うと、ラミレジィのほうが個人の採算は厳しいです。アピストは個人がヤフオクで幼魚を1匹250〜600円で売っていましたが、少なくとも「個人ブリーダーが売っている」状態ではありました。ラミレジィは、ヤフオクの落札そのものがマツヨシワールドや不二熱帯魚といった業者の出品で埋まっていて、個人ブリーダーの出品がほとんど見当たりません。通販では改良個体が1匹970〜2,020円で常時売られ、業者がベトナム産のペアを4,980円で流し続けています。個人が価格でも量でも割り込む余地が、アピストよりさらに乏しいのです。高い単価は、安い量産個体の供給過多に打ち消されています。
アピストグラマと繁殖はどう違いますか?
子育ての形が正反対です。アピストグラマは狭い洞窟にこもって、メスが単独で卵と稚魚を守ります。ラミレジィは平らな石の上にオープンに産卵し、オスとメスが対等に世話をします。両親が並んで卵に水を送り、稚魚の群れを一緒に守る姿は、ラミレジィならではの見どころです。産卵数もラミレジィのほうが多く(150〜300個、アピストは40〜80個)ます。ただしラミレジィは高水温(28〜30℃)を要求して水質にシビアで、しかも改良個体は食卵が多い。「産卵させるのはできるが、稚魚を安定して数取るのは難しい」のがラミレジィです。
買ってきた親が繁殖しないことがあるって本当ですか?
本当です。日本で安く売られている改良個体(東南アジアの量産個体)は、発色を早めるためのホルモン処理や近親交配で、繁殖能力を失っていることがあると複数の専門情報源が指摘しています。産んだ卵を食べてしまう、寿命が短い(18か月ほどという報告も)、病気に弱い、といった問題もセットで語られます。「繁殖用に親を買ったのに殖えない」というのは、この魚では現実に起こりえます。良質な個体は国内の個人ブリーダー由来や、ドイツ・チェコ・オランダ産とされます。なお「ホルモンで不妊化する」という説自体は、業界で広く共有されてはいるものの、査読論文レベルの実証は確認できませんでした。
ボリビアンラムと同じ魚ですか?
別の魚です。ボリビアンラムは Mikrogeophagus altispinosus という別種で、本種ラミレジィ(Mikrogeophagus ramirezi)とは同じ属の別の種です。日本で単に「ラミレジィ」「ラム」「ドイツラム」と言えば本種を指します。ボリビアンラムは「ボリビアンラム」「アルティスピノーサ」といった名前で区別して売られています。
数値の根拠と情報源

【価格】2026-07-18 に charm(チャーム)の検索結果一覧で確認(すべて改良ブリード個体。野生型は一覧に出現せず=日本ではほぼ流通しない)。ジャーマンラミレジィ(国産ブリード)1匹1,100円、ゴールデンジャーマン(国産)1匹1,800円、ブルーダイヤモンド1匹1,150円・5匹4,850円=1匹970円、バルーン各種1,600〜2,020円、ダークナイト(プレミアム)1匹5,000円。標準的な改良個体は単品1,100〜2,020円/複数買いで1匹あたり970〜1,000円。

【ヤフオク実売(aucfree・直近30日)】落札13件・平均3,184円。内訳の大半が業者出品: マツヨシワールド(ベトナム産輸入)の五色・ゴールデンロングフィン1ペア4,980円が反復落札、不二熱帯魚 M3匹1,400円=1匹467円、バルーンゴールデンの量産出品者が3匹1,780円(1匹593円)・1匹780円など。個人ブリーダーと明確に判別できる出品はほぼゼロ。競り上がりもほぼ発生せず(大半が入札1件)。ヤフオクが個人繁殖の販路ではなく業者の販売網として機能している。個人養殖個体の実質単価は1匹467〜800円。メルカリの個別落札単価は直接確認できず=不明。

【養殖個体の繁殖不能・質の問題】Seriously Fish が「市販の量産個体は遺伝的に弱く、病気に罹りやすく、寿命が短く、繁殖力が乏しい(poor reproductive vigour)。生産を増やすためホルモンが使われることがある」と明言(確度:中〜高)。ただし「ホルモンで不妊化」の査読レベルの実証は見つからず、業界・趣味界で広く共有された知見という位置づけ。TFH誌・Aquarium Tidings 等も東南アジア養殖個体のホルモン処理・不妊・短命(18か月ほど)を指摘(確度:中)。日本語情報でも「改良ラミレジィは繁殖時にペアが卵を食べる食卵が頻発し、これは野生種では稀」と一致(確度:中)。良質個体はドイツ・チェコ・オランダ産または国内個人ブリーダー由来とされる。

【学名】Mikrogeophagus ramirezi (Myers & Harry, 1948) が有効(FishBase・GBIF)。属名の綴りは Mikrogeophagus(k入り)が有効で、Microgeophagus(cのみ)は無効な綴り変え(Kullander 1998)。原記載 Apistogramma ramirezi → Microgeophagus / Papiliochromis を経て1998年 Kullander が Mikrogeophagus に確定。ボリビアンラムは別種 Mikrogeophagus altispinosus(charm でも別商品「アルティスピノーサ2匹1,730円」として併売)。

【繁殖】オープン(サブストレート)産卵・両親共同育児(Seriously Fish、確度:高)。平らな石・スレート・広葉の水草・ガラス面に産卵。水温28〜30℃の高水温+弱酸性軟水(pH5〜6)が要る。産卵数150〜300個(aqua-fish.net・確度:中)、孵化2〜3日、遊泳開始は孵化後さらに約5日(Seriously Fish・確度:高)。初期飼料はインフゾリア/マイクロワーム→ブラインシュリンプ幼生。初回産卵では親(特に若い改良個体)が卵・稚魚を食べる食卵が頻発。人工孵化(親を隔離しメチレンブルーでエアレーション孵化)で回避する手法もあるが、両親育児の見どころは失われる。

【サイズ・寿命】オス標準体長約4.2cm(FishBase)、全長で約5〜7cm。寿命は平均2〜3年(日本の飼育情報・確度:中)、養殖個体は18か月ほどとの海外報告もある。

【裏が取れなかった項目】①野生型(ベネズエラ産ワイルド)の日本実売価格(流通ほぼ無し=不明)②養殖個体のホルモン不妊の査読レベル実証(不明・趣味界の知見に留まる)③「突然死」の定量的裏付け(逸話のみ・不明)④稚魚生存率・出荷サイズ到達日数の一次データ(不明。ゆえに出荷までの日数・生存率は載せていない)⑤性成熟までの日数(不明)⑥メルカリの落札単価(不明)。

【主な情報源】charm(販売ページ)、aucfree/Yahoo!オークション落札相場、FishBase、GBIF、Seriously Fish、Wikipedia、Aqua-Fish.net、The Aquarium Wiki、Practical Fishkeeping、TFH Magazine、Aquarium Tidings、レヨンベールアクア、大塚熱帯魚、nittanwith。

繁殖の育て方ガイド

親の入手から稚魚(針子)の育成まで、種をまたいで共通するコツがあります。繁殖に挑むならあわせてどうぞ。