【この記事の核心=価格の二層構造】2026-07-18 実測。
・店頭(charm 実売、検索語は「カカトイデス」。「カカトゥオイデス」では0件): カカトイデス オレンジテール(東南ブリード)1ペア4,500円=1匹2,250円、ダブルレッド(東南)1ペア5,200円=1匹2,600円、ダブルレッド(欧州)1ペア7,820円。ワイルドはプルス1ペア25,000円=1匹12,500円、ペルー1ペア7,480円=1匹3,740円、国産ブリードのプルス1ペア19,000円。メス単品2,300〜2,500円(繁殖需要で高い)。
・個人(ヤフオク落札、オークフリー経由、直近30日): 全国で8口のみ・落札平均2,221円。内訳はトリプルレッド幼魚5匹2,500〜3,000円(=1匹500〜600円)、ダブルレッド稚魚10匹2,500円(=1匹250円)が大半。個人の実売単価は店頭の1/4〜1/10。
→ 記事では「店頭2,250〜2,600円」と「個人250〜600円」を同じ土俵で語らないこと。この落差こそが「高単価種でも成立するのか」への答え。
【需要の薄さ】ヤフオク8口のうち、入札2件以上で競り上がったのは1口だけ。残り7口は開始価格のまま入札1件で落札=価格発見が起きていない。市場の吸収量は月8口程度。「トリプルレッド幼魚5匹2,500円」が短期に4回出品・落札されており、少数の出品者が定期的にさばいていると見られる(出品者IDの照合はできず=推定)。
【学名・分類】Apistogramma cacatuoides Hoedeman, 1951 で確定。原記載 Beaufortia 1(4):1-4。FishBase・WoRMS(AphiaID 1383553)・GBIF で有効名・シノニムなしを確認(確度:高)。Cichlidae 科 Apistogramma 属(100種超を含み未記載種 sp. が多い流動的な属)。日本語サイトの誤り: 本種を「マウスブルーダー(口内保育)」とする記述があるが誤り。洞窟産卵(基質産卵)で確定(Seriously Fish・Wikipedia・FishBase 一致)。
【代表種の選定】カカトゥオイデスを1種に絞る根拠: 属内で流通量最多、改良品種(ダブル/トリプルレッド等)が確立、繁殖難易度が属内最易クラス、水質要求が累代個体では比較的緩い。対抗馬のアガシジィ(A. agassizii)は二大入門種だがより小型でやや管理がシビア。ボレリー(A. borellii)は飼育容易だが色・商品性で劣る。charm の属全体価格でもカカトゥオイデス/アガシジィの東南ブリードが最安帯(1ペア4,500〜5,200円)で、希少sp.は1ペア1〜3万円。
【性比の環境決定】Römer & Beisenherz (1996) "Environmental determination of sex in Apistogramma" Journal of Fish Biology 48:714-725(Cichlid Room Companion 経由で確認、確度:中〜高)。感受性期間は産卵後およそ30〜40日。低pH×高温でほぼ全オス、高pH×低温でメスに偏る。性比を均衡させる目安は pH5.5〜6.5・24〜25℃(二次まとめ、確度:中)。家庭で狙った性比を安定再現できるかの実測データは無い。
【繁殖の数値】洞窟産卵、子育てはメス単独主導、ハレム(一夫多妻)可。1回の産卵40〜80個(幅大・初産は少ない。査読レベルの確定値は取れず=中〜低)、卵はサーモンピンク、孵化2〜3日、遊泳開始は孵化後4〜7日。孵化直後からブラインシュリンプ幼生を食べられる。産卵後メスが非常に攻撃的になり、狭い水槽ではオスを隔離する必要がある(=水槽が最低2本要る)。売れるサイズ(2.5cm・雌雄判別可)まで3〜4か月。性成熟は140〜350日。出典は Seriously Fish・AquaInfo・Wikipedia・日本語専門サイト(AQUALASSIC・アクアハーミット)。
【サイズ】オス7.5〜8cm、メス5cm前後(Seriously Fish・Wikipedia 一致、確度:高)。メスが明確に小さいのが本種の特徴で雌雄判別の主指標。
【改良品種とワイルド】ダブルレッド/トリプルレッド/オレンジテール/ゴールデン系はすべて人為的な選抜固定品種(Seriously Fish が明記)。'red' 系ほど赤が乗る。東南ブリードが最安の量産ゾーン、ワイルド(産地名付き)が高値の希少ゾーン、という価格構造を実測で確認。
【裏が取れなかった項目】①1回の正確な産卵数(40〜80の幅、査読確定値なし。ラボ論文 Boletim do Instituto de Pesca は本文取得失敗)②稚魚の生存率の標準値(条件依存で5〜10匹〜80%超、確定不能)③寿命(確実な一次データなし。「オス短命説」も裏付けなし)④種特異的な病気(一般的シクリッド病に罹患しうるが発症率の定量データなし)⑤家庭での性比操作の再現性⑥硬度(0〜268ppmと幅広く意味ある値にならないため未記載)。
【主な情報源】charm(販売ページ)、オークフリー(ヤフオク落札)、FishBase、WoRMS、GBIF、Seriously Fish、Wikipedia、AquaInfo、Römer & Beisenherz 1996(Cichlid Room Companion)、AQUALASSIC、アクアハーミット、東京アクアガーデン。