比較海の魚

アジとサバの見分け方

かんたんに言うと

アジは体の横にトゲのあるうろこ(ゼイゴ)が並び、サバは背ビレ・尻ビレの後ろに小さなヒレが5つずつ並ぶ。小さなヒレが1つずつのアジもいるので「数」で見る。

目次

決め手は2つ

見るところマアジサバ(マサバ・ゴマサバ)
体の横の線トゲのある硬いうろこ(ゼイゴ)が、頭の近くから尾まで69〜73枚並ぶ小さくはがれやすいうろこ。形の説明にゼイゴは出てこない
背ビレ・尻ビレの後ろ小さな独立したヒレ(小離鰭)は無い小離鰭が背側・腹側に5つずつ並ぶ
模様体の横に目立つ模様は無く、えらぶたの上に黒い斑点が1つ背に黒い波のような模様(ゴマサバは腹側にゴマ点も)
背ビレ第1・第2背ビレが近い第1背ビレと第2背ビレが大きく離れている
尾のつけ根ゼイゴの列がそのまま尾のつけ根まで続く体の横に小さな縦の隆起が2本ずつ
分類アジ科サバ科

サビキで迷ったら堤防のサビキ釣りでは、10〜20cmほどの小アジと小サバが一緒に釣れることがよくあります。体の形は似ているので、体の横のゼイゴと尾の近くの小さなヒレの数を見てください。

「小さなヒレがあればサバ」は間違い

マルアジやムロアジなどムロアジの仲間のアジにも、尾のつけ根に小さなヒレ(小離鰭)が背側・腹側に1つずつあります(京都府・徳島県の資料)。サバは5つずつなので、ヒレがあるかどうかではなく、いくつ並んでいるかで見分けます。

逆に「ゼイゴがあればマアジ」とも言えません。ゼイゴはマルアジ・メアジ・ムロアジなどアジの仲間の多くにあります。マアジの特徴は、ゼイゴが頭の近くから尾まで、側線の全長に並ぶことです(マルアジは体の後半だけ、メアジは第2背ビレより後ろから)。

魚ゼイゴの範囲尾のつけ根の小離鰭ほかの決め手
マアジ側線の全長無しえらぶたの上に黒い斑点
マルアジ体の後半だけ背・腹に1つずつ背が青っぽく、断面が丸い
メアジ第2背ビレより後ろから無し眼が大きい・黄色い縦帯・えらぶたに黒斑なし
マサバ・ゴマサバ(説明に出てこない)背・腹に5つずつ背に黒い波模様

マサバとゴマサバの違い

見るところマサバゴマサバ
腹〜体の横の中ほど黒いゴマ点が無い(あっても背の模様とつながる)黒いゴマ点が並び、背の模様とつながらない
体の断面左右に平たい(平サバ)丸い(丸サバ)
第1・第2背ビレの間第1背ビレのつけ根の長さより短い第1背ビレのつけ根の長さより長い
研究機関の判別法第1背ビレ第1〜第9棘のつけ根の間 ÷ 尾叉長 が0.12以上0.12未満
すむ海温帯〜亜熱帯温帯〜熱帯(より南方系)

見分けの限界尾叉長20cm以下の小さな個体は、模様では見分けにくくなります(高知県)。マサバとゴマサバの雑種もいます。研究機関の12%の判別法は精度99%以上とされますが、小さな個体に使えるかは資料で食い違っています。

食べるときの注意

厚生労働省は、アニサキス(寄生虫)が寄生する魚の例にアジとサバの両方を挙げています。予防は「−20℃で24時間以上の冷凍」か「70℃以上(60℃なら1分)の加熱」で、一般的な料理で使う酢・塩・醤油・わさびでは死にません。

サバは、鮮度が落ちるとヒスタミンがたまり、加熱しても防げないヒスタミン食中毒が起きることがあります。釣ったらすぐ冷やし、早めに内臓を取ってください。くわしくはマサバ・マアジの各ページへ。

よくある質問

アジとサバのいちばん簡単な見分け方は?
体の横の線と、尾の近くを見ます。アジ(マアジ)は体の横の線に沿ってトゲのある硬いうろこ(ゼイゴ)が並びます。サバは背ビレと尻ビレの後ろに、小さな独立したヒレ(小離鰭)が5つずつ並び、背に黒い波模様があります。
小さなヒレがあればサバですか?
そうとは限りません。マルアジやムロアジのように、尾のつけ根に小さなヒレが背側・腹側に1つずつあるアジもいます。サバは5つずつ並ぶので、数で見てください。
マサバとゴマサバの違いは?
体の横の中ほどに黒いゴマ点が並んでいればゴマサバ、無い(あっても背の模様とつながる)のがマサバです。マサバは断面が平たく、ゴマサバは丸い魚です。確実には、第1背ビレの第1〜第9棘のつけ根の間の長さが尾叉長の12%以上ならマサバ、未満ならゴマサバです(研究機関の方法)。
サビキで釣れた小魚がアジかサバか分かりません。
堤防のサビキでは10〜20cmほどの小アジと小サバが一緒に釣れることがよくあります。体の横にゼイゴが並んでいればアジ、背ビレ・尻ビレの後ろに小さなヒレが5つずつ並び、背に波模様があればサバです。
アジとサバ、アニサキスはどちらにもいますか?
厚生労働省は、アニサキスが寄生する魚の例にアジとサバの両方を挙げています。予防は−20℃で24時間以上の冷凍か、70℃以上(60℃なら1分)の加熱です。酢・塩・醤油・わさびでは死にません。サバはさらに、鮮度が落ちるとヒスタミン食中毒(加熱で防げない)にも注意が必要です。
情報源・注記

マアジのゼイゴの範囲と枚数・小離鰭が無いことは FishBase・三重県水産研究所・日本大百科全書。マルアジ・メアジとの違いは京都府海洋センター「丹後の海の生き物(マルアジ)」と徳島県「水研だより」第94号・第112号。サバの小離鰭5つずつ・背ビレの間隔・尾のつけ根の隆起は日本大百科全書・下瀬・今井(2021)Fauna Ryukyuana 60・FishBase。「サバにはゼイゴが無い」と明言した公的・学術資料は見つからなかったため、「形の説明にゼイゴが出てこない」と書いた。マサバとゴマサバの違いは三重県水産研究所・徳島県「水研だより」第88号・高知県水産試験場・中央水産研究所ニュース No.38。アニサキスは厚生労働省「アニサキスによる食中毒を予防しましょう」、ヒスタミンは厚生労働省「ヒスタミンによる食中毒について」。小アジと小サバが一緒に釣れる点は Honda 釣り倶楽部。各魚の詳しい出典は種のページにあります。