比較海の魚

カサゴとメバルの違い

かんたんに言うと

背ビレのトゲはカサゴ12本・メバル13本。メバルは目が大きく群れで泳ぎ、カサゴは岩の隙間でなわばりを持つ。カサゴのトゲには毒があるとする公的資料がある。

目次

比べてみる

2つを1つの資料で比べた公的資料は見つからなかったため、それぞれの魚の資料を突き合わせています。

比べる点カサゴメバル
背ビレのトゲ12本13本
目目の下のふちにトゲが無い目が大きく(クロメバルは体の割に小さめ)、目の前下方に鋭いトゲが2本
体の色まだら模様。浅場は黒っぽく深場は赤っぽい種によって暗い赤〜茶・青黒・暗い褐色(アカ・クロ・シロの3種)
暮らし方群れをつくらず、岩の隙間になわばりを持ち、ほとんど移動しない岩のまわりを群れで泳ぎ、中層で頭を上にして止まることもある
昼と夜昼は穴でじっとし、夜に出て餌を探す昼は岩陰や藻場に潜み、夜に活発に餌を追う
子の産み方卵胎生。1シーズンに何回かに分けて産む(期間が長い)卵胎生。1回で産み終える
毒背ビレ・腹ビレ・頭のトゲに毒があるとする公的資料がある毒があるとする公的資料は見つからない
地方名ガシラ(関西)、アラカブ(九州)店では「本メバル」の名も

夜行性では分けられないどちらも夜に活発になる根魚です。「夜に釣れるからメバル」とは言えません。

釣り方の違い

暮らし方の違いが、そのまま釣り方の違いになります。カサゴは底の隙間にいるので、堤防の際や岩の隙間にエサを落とす落とし込み、オモリとハリだけの仕掛けで隙間を探る穴釣り、根掛かりしにくいルアーで底を探る釣りが中心です。メバルは中層の群れをねらうので、夜の堤防でジグヘッドとワームをゆっくり巻くメバリングや、電気ウキを使ったエサ釣りが中心です。

安全に関わる注意:海上保安庁(第二管区)は「消波ブロック上での釣りはやめましょう」と呼びかけています。足場が不安定で、隙間に落ちると自力で這い上がれず救助も難しいためです。消波ブロックに乗らず、足場のよい堤防の上から探ってください。

トゲに注意

葉山町(葉山しおさい博物館)の資料は、カサゴの背ビレ・腹ビレ・頭のトゲに毒があるとしています。刺されると激しい痛みが長く続き、重症では発汗・顔面蒼白・呼吸困難が出ることがあります。すぐに毒を絞り出し、やけどしない程度のお湯につけ、痛みが続くときは医療機関へ。

同じ岩場には、全長10cmほどで背ビレのトゲに毒のあるハオコゼもいます。くわしくは毒・危険のある魚の一覧へ。

よくある質問

カサゴとメバルのいちばん簡単な見分け方は?
目の大きさと暮らし方です。メバルは目がとても大きく、岩のまわりを群れで泳ぎ、中層で止まっていることもあります。カサゴは頭のトゲが強いずんぐりした体で、岩の隙間にじっとしています。確実には背ビレのトゲを数え、カサゴ12本・メバル13本です。
カサゴとメバル、毒があるのはどっち?
カサゴは、背ビレ・腹ビレ・頭のトゲに毒があるとする公的資料(葉山町)があります。メバルに毒があるとする公的資料は見つかりませんでした。ただしどちらもトゲは鋭いので、素手で強くつかまないでください。
どちらも卵ではなく子どもを産むのですか?
はい。どちらも卵胎生で、お腹の中でかえした仔魚を産みます。同じ海域(福岡県の豊前海)で比べた研究では、カサゴは1シーズンに何回かに分けて産み(11月ごろ〜3月ごろ、最盛期12月)、メバルは1回で産み終えました(12〜1月)。
釣り方はどう違いますか?
カサゴは底の隙間を探る釣り(穴釣り・落とし込み・根掛かりしにくいルアー)、メバルは中層を回遊する群れをウキやジグヘッドでねらう釣り(夜のメバリング・電気ウキ)が中心です。消波ブロックの上での釣りは海上保安庁がやめるよう呼びかけています。
情報源・注記

背ビレのトゲの数(カサゴ12本・メバル13本)は日本大百科全書(両項目とも尼岡邦夫)。目の下のトゲは日本大百科全書と Kai & Nakabo(2008)の要旨。カサゴのなわばり・定住性は世界大百科事典と山口県「カサゴの種苗生産のてびき」、メバルの群れでの泳ぎ方は Honda 釣り倶楽部。子の産み方の違いは、同じ海域(豊前海)で両種を比べた福岡県水産海洋技術センターの研究(メバルは3種に分けられる前の調査)。カサゴの毒は葉山町「海の危険な生き物」p.14、メバルについては公的資料に記載が見つからず FishBase も「人に無害」。体の厚みや体高の比較は出典のある資料が無く載せていない。消波ブロックの注意は海上保安庁 第二管区海上保安本部。各魚の詳しい出典は種のページにあります。