卵胎生 卵胎生メダカ 親が稚魚を食べる

モーリーの繁殖

Poecilia sphenops / Molly

かんたんに言うと

藻や油膜を食べて多産ですが、硬水・塩・大きな水量を要し、よろけ病にも弱い難物。単価は200円台で、採算は卵胎生で最も取りにくい魚です。

ブラックモーリー。単一の種ではなく、黒を固定した交雑改良品種。写真はライヤーテール型。

撮影: Marrabbio / CC BY-SA 3.0

繁殖のしやすさ

簡単

1回の産仔数

20〜150

初産は少なく、成熟したメスほど多く産む

出産の間隔

28〜42

性成熟まで

60〜90

約2〜3か月で繁殖できる大きさに

産卵から出荷サイズまで

118〜192

約4〜6か月

1ペアの月間産出

14〜160

産まれる数の理論値。生存率は考慮していない

実売単価(1匹)

192〜333

通販・店頭の実売。あなたが売るときの競合値でもある

モーリーはグッピー・プラティと並ぶ卵胎生の定番ですが、その中身はかなり特殊です。まず「モーリー」という単一の種は存在しません。ショップで売られているモーリーは、Poecilia sphenops(ショートフィン系)、Poecilia latipinna・velifera(セルフィン系)という複数の野生種と、それらを交雑した改良品種の総称です。ブラックモーリーも「種」ではなく、これらを掛け合わせて黒を固定した改良品種で、正式な学名は付いていません。

モーリーの魅力は、繁殖の旺盛さと藻を食べる習性にあります。卵胎生なのでオスとメスを一緒にしておけば約1か月おきに稚魚を産み、1回に20〜150匹(型や個体差で幅があります)。しかも口が下向きで、コケや水面の油膜、藍藻(アオコ)をよく食べます。特にブラックモーリーは油膜取りとして有名です。餌代がほとんどかからない多産の魚です。

ところが飼育はやさしくありません。モーリーは卵胎生の中で最も水質にうるさく、硬水・弱アルカリ(さらに少量の塩)を好みます。これを外して軟水・酸性で飼うと、その場でゆらゆら揺れる「よろけ病(shimmies)」を起こして崩れます。グッピーより明確に手がかかる魚です。加えてセルフィン系はオスが12〜15cmにもなる大型で、まともに殖やすなら60cm以上の水槽と設備が要ります。

そして出口がありません。charm ではブラックモーリーが1匹200円前後、ヤフオクでも5匹1,000円・入札ゼロで、生体の送料1,000〜1,500円が魚の値段をまるごと上回ります。単価の高いセルフィンやファンシー系は品切れ・死着リスク・希少個体管理の世界で、繁殖副業というよりマニアの領域です。餌代は安いのに設備は重く、難易度は卵胎生随一なのに単価は最安クラス——モーリーは「殖える力」と「売れる力」が最も噛み合わない魚です。詳しくは下の採算の項をご覧ください。

そして、飼いきれなくなっても、自然の川や池へは絶対に放流しないでください。カダヤシ科のこうした外来魚は、水温の高い排水域などで定着した例が報告されており、在来の生態系を壊します。最後まで飼い、難しければ引き取り先を探してください。

繁殖サイクル

親を用意してから、稚魚が出荷サイズに育つまでの流れ。帯の長さが、その段階にかかる日数の目安です。

  1. 1
    養成 親魚を選び、硬水・弱アルカリを整える 14〜30日

    親魚を繁殖できる状態に持っていく

  2. 2
    ペアリング 軟水・酸性を避けて水質を保つ 1〜7日

    オスとメスを合わせる

  3. 3
    産卵・交尾 出産の兆候を見る 28〜42日

    繁殖行動が起きる

  4. 4
    卵の管理 出産直前に隔離する 1〜5日

    孵化までの管理

  5. 5
    泳ぎ出し 産み終えたら親だけ戻す 1日

    稚魚が泳ぎ始め、餌を食べ出す

  6. 6
    稚魚育成 稚魚を育てる 30〜60日

    出荷サイズまで育てる

  7. 7
    雌雄判別 雌雄を分ける 30〜60日

    オスメスを見分けて選別する

  8. 8
    出荷 出荷サイズまで育てる 90〜150日

    販売できるサイズに到達

繁殖の手順

1

親魚を選び、硬水・弱アルカリを整える

14〜30日 26℃

モーリー繁殖の成否は、繁殖行為よりも水質づくりで決まります。まず硬水・弱アルカリ(pH 7.5〜8.2、GH 11〜30)を用意し、可能なら少量の塩を加えて調子を上げます。そのうえで、体型が整い発色の良いオスと、腹のふっくらしたメスを選びます。オス1匹にメス2〜3匹の比率にして、オスの追尾でメスが消耗するのを防ぎます。水温は25〜28℃を保ちます。

セルフィン系のモーリー(写真は白系)。オスの背ビレが帆状に大きく発達する。大型で12〜15cmになる。
セルフィン系のモーリー(写真は白系)。オスの背ビレが帆状に大きく発達する。大型で12〜15cmになる。

撮影: Bjoertvedt / CC BY-SA 3.0

コツ ショップで買ったメスは既に交尾を済ませていることが多く、オスを買わなくても稚魚が産まれます。

注意 ソイルで弱酸性・軟水に寄せた水草レイアウトはモーリーに向きません。よろけ病の引き金になります。

2

軟水・酸性を避けて水質を保つ

1〜7日 26℃

ここが他の卵胎生と最も違う点です。グッピーやプラティは多少水質が振れても殖えますが、モーリーは軟水・酸性・水質悪化に弱く、環境を外すと親がよろけ病(shimmies)を起こして繁殖どころではなくなります。繁殖期間中は水質を安定させることを最優先にし、硬度と弱アルカリを維持してください。少量の塩は病気予防にも有効です。

注意 カラシンやアピストなど軟水を好む魚と繁殖水槽を共用すると、どちらにとっても中途半端な水質になり、モーリーが先に崩れます。

3

出産の兆候を見る

28〜42日 26℃

交尾から約28日(水温により3〜6週に変動)で出産します。腹部が角張って膨らみ、肛門付近の妊娠マークが濃くなってきたら近づいた合図です。モーリーのメスも一度の交尾で精子を貯めておけるため、オスを取り出した後も約1か月おきに出産が続きます。1回の産仔数は20〜150匹と、型や個体の成熟度で大きく変わります(日本のショップ情報では5〜30匹とより控えめな数字も)。

注意 腹の膨らみは過食や病気(腹水)でも起きます。妊娠マークと日数をあわせて判断してください。

4

出産直前に隔離する

1〜5日 26℃

兆候が出てからサテライトや産卵ケースへ移します。早すぎる隔離は強いストレスになり、かえって出産に悪影響が出ます。狭い容器は水質の悪化も速いので、隔離中の給餌は控えめに。隔離を使わず、浮き草やウィローモスを厚く入れて稚魚の隠れ家を作る方法もありますが、その場合は一定数が親に食べられます。

コツ モーリーは水質変化に敏感なので、隔離ケースの水は必ず本水槽の水を使い、温度と水質を合わせてから移します。

5

産み終えたら親だけ戻す

1日 26℃

卵胎生なので稚魚は産まれた時点で泳げます。モーリーの稚魚は他の卵胎生より大きく産まれて丈夫ですが、親や混泳魚に食べられるのは同じです。産み終えたら親メスだけをすぐ元の水槽へ戻してください。フィルターの吸い込み口には細目のスポンジを付けて、稚魚が吸い込まれるのを防ぎます。

6

稚魚を育てる

30〜60日 26℃

モーリーの稚魚は大きく産まれるので、生まれた直後からブラインシュリンプの幼生を食べられます。卵生魚のようにインフゾリアを用意する必要はありません。ブラインシュリンプや粉末状の人工飼料を1日2〜3回、少量ずつ与えます。藻も食べるので、コケの生えた石を入れておくと自然に育ちます。稚魚も硬水・弱アルカリを保ち、水換えは温度・水質を合わせて慎重に行います。

コツ 成魚と混ぜると餌の競争に負けて痩せます。サイズが揃うまで分けたほうが結果的に速く育ちます。

7

雌雄を分ける

30〜60日

オスは尻ビレが棒状の生殖脚に変わり始めます。メスは尻ビレが三角形のまま。セルフィン系ならオスの背ビレが帆状に伸びてくるので、より分かりやすくなります。これ以上殖やしたくないなら、ここで雌雄を分けてください。貯精のためオスを抜いても出産は続き、次の世代も数か月で成熟するので、増加は加速します。

オスのモーリー。黄色い丸で囲った部分が棒状に変形した生殖脚(ゴノポジウム)。これが雄の証。
オスのモーリー。黄色い丸で囲った部分が棒状に変形した生殖脚(ゴノポジウム)。これが雄の証。

撮影: Darkmax / CC BY-SA 4.0

8

出荷サイズまで育てる

90〜150日

生後3〜5か月でショップに並ぶサイズになり、型ごとの特徴(黒・帆・バルーン)がはっきり出ます。ただし売ることを考えているなら、先に採算の項を読んでください。ブラックモーリーなど普通種は1匹200円前後で流通し、しかも生体の送料が1件1,000〜1,500円かかるため、個人が売っても送料で赤字になります。セルフィンやファンシー系は単価が上がりますが、大型で回転が遅く、希少個体を管理するマニアの領域です。

バルーンモーリー。脊椎が短縮した奇形を固定した改良品種で、体長5〜7cmと小型。
バルーンモーリー。脊椎が短縮した奇形を固定した改良品種で、体長5〜7cmと小型。

撮影: Gourami Watcher / CC BY-SA 3.0

注意 殖えすぎた個体を川や池に放流することは絶対にしないでください。

相場と採算

2026年7月18日時点の調査。相場は品種・グレード・時期で変動します。

実売相場(1匹)

192〜2,990

通販・店頭の実売価格。あなたが買う値段でもあり、売るときの競合でもある=ここに利ざやは出ない

親ペア

2,000〜5,980

普通種(ブラック・シルバー等)は1匹200円台の群れ売りで、ペアという単位で高くは売れない。ペア価格はセルフィン(1ペア約2,000円)やファンシー改良系(1ペア約5,000〜6,000円+送料)といった、大型・希少個体だけの相場。

この魚は売って儲かるのか

魚は個人でも許可なく売れます。ただし、売って利益を出すのは簡単ではありません。多くの種は安価な量産個体と競合し、販路・送料・死着といった壁もあります。当サイトはその現実を、腕前ではなく市場の構造の問題として、種ごとに数字で確かめています。くわしくは 繁殖は儲かるのか、自分の条件での試算は採算シミュレーターをどうぞ。

基本データ

モーリーの基本データ
繁殖形態卵胎生 — メスが体内で卵を孵化させ、泳げる状態の稚魚を産む。卵の管理が要らないぶん最も簡単で、繁殖の入門に向く。
別名ブラックモーリー、セルフィンモーリー、バルーンモーリー、シルバーモーリー、ダルメシアンモーリー、Poecilia latipinna、Poecilia velifera
飼育のしやすさ ふつう
成魚サイズ60〜120mm
寿命2〜3年
適水温20〜28℃
繁殖適水温25〜28℃
pH7.5〜8.2
硬度(GH)11〜30
最低水槽サイズ57L以上
性成熟まで60〜90日
妊娠期間 28〜42日
稚魚の初期飼料ブラインシュリンプ(活・孵化直後)。稚魚は大きく産まれ口に合う。藻や人工飼料も食べる
親の隔離 必要(親が稚魚・卵を食べる)
雌雄の見分け方オスは尻ビレが棒状の交接器(生殖脚・ゴノポジウム)に変形する。メスは尻ビレが三角形のまま。セルフィン系はオスの背ビレが帆状に大きく発達するので見分けやすい。メスはオスよりやや大きくなる。
原産地メキシコ、アメリカ、コロンビア、ベネズエラ
生息環境中米〜南米北部の淡水・汽水域(P. latipinna は米ノースカロライナ〜メキシコ沿岸)。沿岸の汽水域に多く、広塩性。流通個体は東南アジア等で養殖された改良品種。
入手先 量販店、専門店、通販、オークション

品種(バリエーション)

「モーリー」は一つの種の名ではなく、Poecilia 属の複数種(P. sphenops、セルフィンの P. latipinna・P. velifera など)とその交雑・改良を束ねた総称です。市販のブラックモーリーからして複数種のハイブリッド集団で、学名を一つに定めにくいのが実情。品種は体型(バルーン)・ヒレ(セルフィン)・色(ブラック・ダルメシアン・ゴールデン)で呼び分けます。

ブラックモーリー

全身が黒い定番。コケや油膜をよく食べます。単一種ではなく交雑集団です。

通常小売は1匹数百円程度とみられますが、確たる単価は確認できませんでした。

セルフィン(セイルフィン)モーリー

ヒレ

オスの背ビレが帆のように大きく伸びて大型化(約12cm)します。ライヤーテールなどの派生もあります。

相場の目安 1匹 945〜1,410円

送料別の通販例。大型化するぶん設備も要ります。

バルーンモーリー

体型

脊椎の奇形を人為的に固定した、寸詰まりの丸い体型の品種です。

奇形を固定した品種で、泳ぎや繁殖に難が出ることがあります。

ダルメシアン/ゴールデンセルフィン

色柄

白地に黒斑(ダルメシアン)、または全身オレンジのアルビノ(ゴールデンセルフィン)など、色柄の系統です。

品種の相場は流行・個体差・入荷で大きく変動します(調査 2026年7月)。裏の取れない相場は載せていません。

混泳相性

相手 相性 理由
プラティ 良い 同じく中性〜弱アルカリの硬水を好み、温和で相性が良い。属が違うので交雑もしない。
コリドラス 良い 底層で温和。生活層が分かれ、餌の取り合いも起きない。
ソードテール 良い 好む水質が近く(弱アルカリ・硬水寄り)、温和で泳ぐ層も合う。属が違うので交雑しない。
ネオンテトラ 注意 性格は合うが、好む水質が逆(テトラは弱酸性の軟水、モーリーは弱アルカリの硬水)。モーリーが崩れやすいので、繁殖を狙うなら水槽を分ける。
ミナミヌマエビ 注意 成体は同居できるが、口に入る稚エビは食べられる。エビの繁殖を狙うなら同居させない。

よくある失敗

繁殖そのものより、ここでつまずく人のほうが多いです。

その場でゆらゆら揺れる(よろけ病) よく起きる

症状
モーリーがその場で前後左右にゆらゆらと揺れ、うまく泳げなくなる。
原因
「shimmies(よろけ病)」と呼ばれるストレス性の生理崩壊。軟水・酸性・水質悪化が引き金で、モーリーは卵胎生で最もかかりやすい。単一の病原体による病気ではない。
対策
硬水・弱アルカリ(pH 7.5〜8.2、GH 11〜30)を維持し、少量の塩を加える。水質を安定させれば予防・改善できる。軟水・酸性の水草レイアウトで飼わない。

白点病・エロモナスで落ちる よく起きる

症状
体に白い点が出る、あるいは腹が膨れて松かさ状にウロコが逆立つ。
原因
水温変化やストレス、底床・水の汚れによる免疫低下。モーリー自体は丈夫な部類だが、硬水・塩を外した不適切飼育だと崩れやすい。
対策
水温と水質を安定させ、こまめに掃除する。塩耐性が高いので、初期なら昇温+塩水浴で対処しやすい。

朝になったら稚魚がいない よく起きる

症状
産まれたはずの稚魚が翌朝には激減している。
原因
親魚や混泳魚による捕食。モーリーの稚魚は大きめだが、口に入るものは食べられる。
対策
出産直前に隔離するか、浮き草やウィローモスを厚く入れて隠れ家を作る。

大きくなって過密・水量不足になる

症状
成長したモーリー(特にセルフィン)で水槽が手狭になり、水が汚れやすくなる。
原因
セルフィン系はオスが12〜15cmになる大型魚。小さな水槽で殖やすと、すぐに過密になり水質が悪化する。
対策
本気で殖やすなら60cm以上の水槽を用意する。増やす前に引き取り先を確保し、水量に見合った数に抑える。

知っておきたいこと

モーリーの「型」は背ビレで見分けます。セルフィン(latipinna・velifera)はオスの背ビレが帆のように大きく発達しますが、ショートフィン(sphenops)にはこの帆がありません。セルフィン2種の区別はさらに細かく、背ビレの軟条数が P. latipinna は約14本、P. velifera は18〜19本と決まっており、稚魚ではこの本数を数えるのが唯一の確実な判別法です。バルーンモーリーは脊椎が短縮した奇形を固定した改良品種で、体長5〜7cmと小型です。

注意したいのが名前の混同です。アフリカン・シクリッドにも「モーリー」と呼ばれる魚(トロフェウス・モーリーやブルードルフィン系のハプロクロミス・モーリー)がいますが、これらは卵胎生メダカのモーリーとはまったくの別種です。オークションなどで「モーリー」と検索するとシクリッドが混じるので、卵胎生のモーリーを探すときは気をつけてください。

よくある質問

モーリーの繁殖は儲かりますか?
卵胎生の中でも最も採算が取りにくい魚です。ブラックモーリーなど普通種は1匹200円前後(2026年7月・charm)で、ヤフオクでも5匹1,000円・入札ゼロと、量販店と同水準か下です。しかも生体の発送は保温・死着保証で送料が1件1,000〜1,500円かかり、200円の魚では送料が価値を丸ごと上回ります。セルフィンやファンシー系は単価が上がりますが、大型で回転が遅く、希少個体を管理するマニアの領域で、繁殖副業とは呼べません。餌代が安く多産でも、設備が重く単価が最安クラスなので、割に合いません。
モーリーに塩は必要ですか?
必須ではありませんが、少量あると調子が上がり病気に強くなります。モーリーの原産は沿岸の汽水域で、生理的に低塩分を好みます。淡水でも飼育・繁殖はできますが、硬水・弱アルカリを保ち、少量の塩を加えるとよろけ病などのトラブルを予防できます。塩耐性が高いので、病気のときの塩水浴治療もしやすい魚です。
モーリーはコケ取りになりますか?
なります。口が下向きで、コケ・藻類・水面の油膜・藍藻(アオコ)をよく食べます。特にブラックモーリーは油膜取りとして有名です。ただしコケ取り「専門」ではなく雑食で、人工飼料も何でも食べます。コケだけで維持できるわけではないので、餌は別途与えてください。
モーリーはグッピーやプラティと交雑しますか?
しません。モーリー同士(sphenops・latipinna・velifera)は容易に交雑し、それが改良品種の起源そのものですが、属の違うグッピー・プラティ・ソードテールとは基本的に交雑しません。ただし好む水質はプラティに近い(中性〜弱アルカリ)ので、混泳の相性は悪くありません。
モーリーはグッピーより難しいですか?
はい、維持は明確に難しいです。産む力・殖える力はグッピーと同等以上に旺盛ですが、硬水・弱アルカリ・大きな水量が要り、軟水・酸性に振れるとよろけ病を起こします。卵胎生の中では最も水質にうるさく、デリケートな部類です。「殖やしやすさ」で選ぶならグッピーやプラティのほうが無難です。
数値の根拠と情報源

【価格】2026-07-18 に charm(チャーム)本店の「モーリー」一覧(182件)とヤフオクを実ページで確認(SOLD OUT除外)。ショートフィン量産型はブラックモーリー12匹2,300円=1匹192円、シルバー12匹2,530円=211円、ブラッドオレンジ5匹1,100円=220円、ダルメシアン4匹1,330円=333円、ブラックライヤーテール4匹1,210円=303円。セルフィンは別格で、プラチナセルフィン1ペア2,000円=1匹1,000円(他のセルフィンはほぼ売り切れ=大型で回転が遅い)。→型による単価差は約5倍。ヤフオクは「モーリー 熱帯魚」138件中オークション形式はわずか6件・132件が即決で、表示された全出品が入札0件(競り上がりが起きていない)。ブラック5匹1,000円即決(200円/匹)とcharm量販店と同水準か下。繁殖ペアは2,500円+送料1,490円、ファンシー改良系(サクラ・ブルーダイヤモンドアイ等)1ペア4,980〜5,980円+送料980円。生体は保温・死着保証で送料が1件980〜1,500円かかり、200円の魚では送料が価値を上回る。メルカリは生体禁止で実質ヤフオク一択。

【分類の混乱】ショップの「モーリー」は単一種ではなく、Poecilia sphenops(ショートフィン)、P. latipinna・P. velifera(セルフィン)と、それらの交雑改良系の総称。ブラックモーリーは「種」ではなく、P. sphenops のメラニン個体を起源に P. latipinna 等を交雑固定した改良品種で、正式な学名は付かない(Balon は黒モーリーの起源を P. sphenops × P. latipinna に帰す)。セルフィン2種は背ビレ軟条数で判別(latipinna 約14本 / velifera 18〜19本)。バルーンは脊椎短縮の奇形固定系。アフリカンシクリッドの「モーリー」(トロフェウス等)は別種。

【裏付けが取れなかった項目】出荷サイズ(3〜5cm)までの日数は「1cm/月」という成長記述しか裏が取れず、90〜150日は性成熟(約3か月)からの推定であり出典のある数値ではない。家庭での稚魚生存率も定性記述のみで、%の裏付けがなく数値は載せていない。産仔間隔「約1か月」は英語二次情報のみで確度中。

【水質・病気】硬水・弱アルカリを強く好むのは FishBase の生息データ(GH 11〜30、pH 7.5〜8.2)と一致。塩は必須ではないが、原産が沿岸汽水域のため少量で調子が上がり病気に強くなる(広塩性、latipinna は高塩分にも耐える)。「よろけ病(shimmies)」は単一の病原体ではなくストレス性の生理崩壊で、軟水・酸性・水質悪化が引き金。モーリーは livebearer で最もかかりやすい。白点・エロモナスに弱いという説は「やや誇張だが方向は正しい」(不適切飼育で崩れやすいが、塩耐性が高く塩水浴治療はしやすい)。

【主な情報源】FishBase(sphenops / latipinna / velifera)、Wikipedia(英語)、USGS NAS、東京アクアガーデン、AquariumStoreDepot、charm(販売ページ)、Yahoo!オークション。

繁殖の育て方ガイド

親の入手から稚魚(針子)の育成まで、種をまたいで共通するコツがあります。繁殖に挑むならあわせてどうぞ。