水が澄んでから入れる
白く濁っている容器、立ち上げたばかりの容器には入れません。エビは魚より酸欠と水質変化に弱く、真っ先に落ちます。まず容器を落ち着かせてからにしてください。
注意白濁は分解性のバクテリアが大量にいる状態=酸素が余分に消費されている状態です。メダカが平気でもエビは別です。
かんたんに言うと
屋外の本命はミナミヌマエビです。淡水だけで殖えるので買い足しが要らず、越冬もできます。青水を薄めたいならヒメタニシ。稚魚を確実に取りたい容器には入れません。
メダカの容器に何かを足したくなったとき、選択を誤ると入れた日には何も起きず、数か月後に静かに失敗が見えてきます。買った直後は小さかった魚が育つ、餌が足りない日が来る、殖えすぎて置き場所がなくなる——どれも時間差で効いてくるからです。
このページは、その時間差を先に潰すための判定基準と、屋外のメダカ容器に実際に足す価値のある生き物を整理します。
「相性がいい/悪い」という言い方は曖昧です。次の4つで機械的に判定してください。どれも、入れた日には答えが出ません。
5つめの関門:殖えたあとの出口殖えすぎたときに川や池へ放すのは絶対にやってはいけません。在来種との交雑、病気の持ち込みを招きます。環境省は「飼育している魚は最後まで責任を持って飼育し、野外に放流しないように」と明言しています。容器を増やす・譲る・出品する、のどれかで出口を用意してから殖やしてください。
| 生き物 | 屋外越冬 | 終生サイズ | 稚魚・卵への食害 | 殖えるか | 判定 |
|---|---|---|---|---|---|
| ミナミヌマエビ | できる | 2〜3cm | 情報源が割れる(下記) | 淡水で殖える | 本命 |
| ヒメタニシ | できる(在来) | 3cm前後 | なし | 卵胎生で殖える | 用途が合えば |
| ヤマトヌマエビ | やや不利 | 4〜5cm | ほぼなし | 殖えない(幼生に汽水が必要) | 買い足し前提 |
| イシマキガイ | やや不利 | 2cm前後 | なし | 殖えない(汽水が必要) | コケ取り専用 |
| シマドジョウ類 | できる | 8〜12cm | 卵・稚魚は食べる | 家庭では殖えない | 繁殖容器には不可 |
| マドジョウ(普通のドジョウ) | できる | 15cm前後 | 食べる | 家庭では殖えない | 入れない |
| 金魚 | できる | 15cm以上 | 食べる | — | 入れない |
| スジエビ・テナガエビ | できる | 3〜10cm | 肉食。成魚も襲う | 多くは汽水が必要 | 入れない |
表の読み方「稚魚・卵への食害」の欄が空欄でない生き物は、繁殖を狙っている容器には入れられないという意味です。観賞用の容器なら選択肢に入ります。目的で判定が変わります。
屋外のメダカ容器に足すなら、まずこれです。決め手は「淡水だけで世代が繋がる」ことで、これは同居候補のなかでほぼ唯一の性質です。一度入れれば自分で維持されるので、買い足しの費用が続きません。繁殖のしかたと採算はミナミヌマエビの種ページにまとめています。
稚魚への食害は、情報源が割れています比較記事には「食害はほぼない」とするものがある一方、「卵や稚魚は成魚より捕食されやすい。小さくて動きが遅く、卵に至っては動かないため」と明記する媒体も複数あります。被害がないという飼育者の報告もあり、どちらか一方を正解として断定できる状況ではありません。当サイトの整理は、「積極的に襲う生き物ではないが、針子は"弱った個体"との境界が曖昧なサイズなので、確実に数を取りたい時期の容器には入れない」です。
2000年前後から、中国・韓国由来のカワリヌマエビ属の個体群が日本各地の河川で見つかっています。もともとは釣り餌用に大量輸入されたもので、近年は観賞用の通信販売でも流通しており、その一部が野外に定着しました。アクアリウムでは在来種と同じ「ミナミヌマエビ」という商品名で売られていることがほとんどです。
在来のミナミヌマエビとは形態がきわめて似ており、交雑も起きているため見た目での区別は困難で、正確な判別には遺伝子解析が要るとされます。純系の在来個体群が失われることが危惧されています。
法的には、国の特定外来生物には指定されていません(飼うことも売ることも違法ではありません)。ただし滋賀県の条例では「指定外来種」に指定されており、野外への放逐が禁止され、飼育には届け出が必要とされています。国立環境研究所の侵入生物データベースは、生態系への影響を現時点で「不明」としています。
実務上の結論飼うのは問題ありません。放すのが問題です。どちらの系統か買った側には判別できない以上、在来個体群と交雑させない唯一の確実な方法が「野外に出さないこと」になります。殖えすぎたときの出口を、飼い始める前に決めておいてください。
日本の河川や湖沼に分布する在来の巻貝で、大きくても3cm程度。低水温に強く、屋外の容器で通年飼えるのが強みです。メダカを攻撃しませんし、稚魚への食害もありません。
特徴的なのは濾過摂食で、壁面のコケを削り取るだけでなく、水中に漂う植物プランクトンや有機物を漉し取って食べます。この働きから「濃くなりすぎた青水を薄める」「水の透明度を上げる」用途で紹介されます。
目的が正反対になることがあります針子を育てるためにグリーンウォーターを維持したい容器に入れると、その青水を漉し取ってしまいます。「青水を作りたい容器」と「透明にしたい容器」は分けて考えてください。この2つを同じ容器でやろうとすると、どちらも中途半端になります。
白濁に効くとは言えません濾過摂食は浮遊する有機物と植物プランクトンに対する働きです。白濁(有機物を分解するバクテリアの急増)に直接効くという検証データは確認できていませんので、濁りの対策としては補助と考えてください。原因を断つ手順は白濁のガイドにあります。
卵胎生で、体内で育った子貝を産みます。殖えるので最初は1〜3匹から始めて、足りなければ足すのが無難です。
屋外容器の天敵と防ぎ方は屋外ビオトープのガイドに一覧があります。
ここは目的で分かれます。
針子容器の作り方はメダカの針子を育てる容器と設備、親と分けるかどうかの判断は同記事の「そもそも、親と分けないとダメ?」にまとめています。
白く濁っている容器、立ち上げたばかりの容器には入れません。エビは魚より酸欠と水質変化に弱く、真っ先に落ちます。まず容器を落ち着かせてからにしてください。
注意白濁は分解性のバクテリアが大量にいる状態=酸素が余分に消費されている状態です。メダカが平気でもエビは別です。
エビは残留農薬に極端に弱く、水草経由の農薬で一晩で全滅する事故が繰り返し報告されています。エビも水草も、無農薬表記のあるものを選びます。表記がないものは、別容器でしばらく管理してから入れます。
エビなら10匹前後、貝なら1〜3匹から。どちらも殖えます。最初から入れすぎると、あとで減らす作業のほうが大変になります。
コツ「掃除役」として入れるぶんには少数で足ります。数が要るのは、増やして売る目的のときだけです。
エビは水質の急変に弱いので、温度合わせだけでは足りません。点滴法で1時間前後かけて慣らします。貝も同様に、袋のまま浮かべて温度を合わせてから入れます。
コツ手順は水合わせのガイドにまとめています。
エビは脱皮直後が無防備で、このときだけは魚に狙われます。ウィローモスや水草の茂みを入れておけば、そこで脱皮します。稚エビの生存にも茂みが要ります。
注意逆に言えば、茂みのない容器で殖やそうとしても稚エビは残りません。
点滴法をふくむ水合わせの具体的な手順は水合わせ・温度合わせのやり方に、白濁した容器の直し方はメダカの水が白く濁る原因と対処にあります。
混泳の可否は、アクアリウム専門業者・メダカ専門メディアの比較記事をつき合わせ、4関門(水温・終生サイズ・飢餓時の食性・殖えるか)の形に整理し直しました。ミナミヌマエビによる稚魚・卵への食害は情報源が真っ二つに割れているため、どちらかを正解とせず両論で記載しています。ヒメタニシが白濁に効くという検証データは見つかりませんでしたので、濾過摂食の対象(浮遊有機物・植物プランクトン)に限定して書き、白濁への効果は明示的に「確認できていない」としています。カワリヌマエビ属(シナヌマエビ等)の外来個体群については、国立環境研究所 侵入生物データベースを一次情報として確認し、国の特定外来生物には指定されていないこと、滋賀県条例では指定外来種として野外放逐が禁止され飼育に届け出が必要であること、影響評価が「不明」とされていることをそのまま採用しました。交雑の指摘は日本生態学会大会講演要旨および解説記事に拠ります。屋外越冬の可否・サイズ・食性の数値は飼育情報にもとづく目安で、対照実験の値ではありません。主な参照先:国立環境研究所 侵入生物DB、環境省(外来種被害予防三原則)、東京アクアガーデン、めだかラボ、サカナト。