見分け方・毒・釣り・飼い方まで、出典つきの魚図鑑

その魚、なに?
毒はある? 家で飼える?

川や海で出会う日本の魚を、似ている魚との見分け方、すむ場所と産卵の季節、 毒のトゲや寄生虫の注意、釣り方と、家で飼えるかまで種ごとに解説します。 グッピー・メダカなど家で殖やせる魚は、繁殖の手順と採算まで数字で示します。裏付けの取れないことは書きません。

釣った・見つけた魚を調べる

家で飼う・殖やす

川や海の魚

釣りや川遊び・磯遊びでよく出会う魚から、見分け方・分布・毒や寄生虫の注意を出典つきでまとめています。 裏付けの取れた種から順に増やしています。

ニゴロブナ(水槽の展示個体)。体高が低めで頭が大きく、口は小さい。 淡水

ニゴロブナ

Carassius buergeri grandoculis

琵琶湖にだけいる固有のフナ。体高が低く頭が大きい。環境省で絶滅危惧IB類。滋賀県では全長22cm以下の採捕が禁止されている。

大きさ 40cm前後まで
毒・危険 取り扱い注意
釣れたマナマズ(琵琶湖。ルアーに掛かったまま地面に置いた状態)。口のまわりにヒゲがある。 淡水

マナマズ

Silurus asotus

口に4本のヒゲがある、夜行性の大きなナマズ。釣りは夜が基本で、特定外来生物ではない。生食は顎口虫に注意。

大きさ 60cm前後まで
毒・危険 取り扱い注意
マイワシの群れ(水族館の展示)。体の横に黒い点の列が見える。 海水

マイワシ

Sardinops melanostictus

体の横に黒い点が並ぶイワシ。腹の縁に稜鱗がある。カタクチイワシは下あごが小さく、ウルメイワシは目が大きい。アニサキスと常温放置に注意。

大きさ 28cm前後まで
毒・危険 取り扱い注意
産卵期の婚姻色が出たウグイ。体の横に赤い縦帯があらわれ、帯の間と背中が黒くなる。 淡水・汽水・海水

ウグイ

Pseudaspius hakonensis

川の上流から河口、海の沿岸まで広くすむ日本の代表的な川魚。春の産卵期は雌雄とも赤い縦帯が3本出る。寄生虫がいるので生では食べない。

大きさ 50cm前後まで
毒・危険 取り扱い注意
産卵期のオイカワのオス。体の横が赤と青緑に染まり、尻ビレが大きく伸びる。 淡水

オイカワ

Opsariichthys platypus

川の中流から下流でいちばん普通に見られる魚のひとつ。夏の産卵期、オスは赤と青緑の婚姻色になり尻ビレが大きく伸びる。関東ではヤマベと呼ぶ。

大きさ 16cm前後まで
毒・危険 取り扱い注意
産卵期のカワムツのオス(福岡県)。あごの下から腹が赤く、胸ビレ・腹ビレは黄色。体の真ん中に暗い縦帯が通る。 淡水

カワムツ

Nipponocypris temminckii

体の真ん中に太い黒っぽい縦帯、黄色い胸ビレ・腹ビレが目印の川魚。本来は西日本の魚で、関東・北陸以北では国の外来種リストに載っている。

大きさ 20cm前後まで
毒・危険 取り扱い注意
ゴンズイの成魚2匹(静岡県・大瀬崎)。黄色い縦帯とヒゲが目印。背ビレと胸ビレのトゲに毒がある。 海水

ゴンズイ

Plotosus japonicus

黄色い縦帯とヒゲ8本が目印の海のナマズの仲間。背ビレと胸ビレのトゲに毒があり、死んでいても刺される。夜釣りで釣れたら素手で触らない。

大きさ 22cm前後まで
毒・危険 毒・危険あり
海中のアイゴ。黄緑〜褐色の体に細かい白い斑点が散らばる。 海水

アイゴ

Siganus fuscescens

磯や堤防で釣れる、白い斑点の平たい海の魚。背ビレ・腹ビレ・尻ビレのトゲに毒があり、死んでも刺される。西日本ではバリと呼ぶ。

大きさ 40cm前後まで
毒・危険 毒・危険あり

川魚の種類/海の魚の種類/堤防で釣れる魚と時期/川で釣れる魚と時期/似ている魚の見分け方/毒・危険のある魚の一覧

釣れた魚、素手で触って大丈夫?

ゴンズイ・アイゴ・ハオコゼはヒレのトゲに毒があり、死んでいても刺されます。 見分けに自信がない魚は素手で触らず、糸を切るか道具で外してください。 刺されたときの手当ては毒・危険のある魚の一覧にまとめています。

家で殖やせる魚:繁殖が簡単な種

グッピー・メダカ・エビなど、家庭の水槽で繁殖できる魚は、繁殖の手順・日数・採算まで種ごとに書いています。 はじめて繁殖に挑戦するなら、この中から選べばまず失敗しません。親を入れておけば勝手に殖える種から並べています。

エンドラーズのオス。体長25mmほどの小さな体に強い発色を載せる。 卵胎生

エンドラーズライブベアラー

Poecilia wingei

親が稚魚をほとんど食べないので隔離が要らず、放っておいても殖えます。ただしグッピーと交雑します。

単価 250円〜
繁殖のしやすさ
育てやすさ
日本メダカ。改良メダカはこの在来種を元にした品種の総称で、数百種類あるとされる。 産着卵

改良メダカ

Oryzias latipes

屋外でヒーターなしに殖え、繁殖の入門としては最良です。ただし高い品種ほど速く値崩れします。

単価 46円〜
繁殖のしやすさ
育てやすさ
グッピーのオス。派手な体色と大きな尾ビレはオスの特徴で、メスは地味な体色をしている。 卵胎生

グッピー

Poecilia reticulata

オスとメスを一緒に飼うだけで殖えます。成熟したメスは約1か月おきに30〜50匹を産み、家庭繁殖では最も簡単な部類です。

単価 140円〜
繁殖のしやすさ
育てやすさ
プラティ。グッピーと違い、オスもメスも同じ体色をしている。 卵胎生

プラティ

Xiphophorus maculatus

グッピーと同じくらい簡単に殖えます。オスもメスも同じ体色なので、メスも売り物になるのが違いです。

単価 173円〜
繁殖のしやすさ
育てやすさ
ミナミヌマエビ。体長は2〜3cmほどで、メスのほうが大きい。 抱卵

ミナミヌマエビ

Neocaridina denticulata

水槽が安定していれば何もしなくても殖えます。ただし1匹27円で売られており、売り物にはなりません。

単価 27円〜
繁殖のしやすさ
育てやすさ
レッドチェリーシュリンプ。色は血統に依存し、薄い個体からは薄い子しか産まれない。 抱卵

レッドチェリーシュリンプ

Neocaridina davidi

ミナミヌマエビと同じ手軽さで殖え、色がつくぶん少し高く売れます。ただし混ぜると色が消えます。

単価 55円〜
繁殖のしやすさ
育てやすさ
野生型のメダカ(静岡県で撮影された野生個体)。改良品種のような派手さはなく、田んぼや用水路にいた本来の姿。オリーブ色の地に細かな黒点。 産着卵

日本メダカ(野生型)

Oryzias latipes

飼育も繁殖も簡単ですが、野生の在来メダカは絶滅危惧種でヤフオク出品も禁止。売る余地はありません。

販売 不可
繁殖のしやすさ
育てやすさ
ソードテール。奥のオスは尾の下葉が剣のように伸びる。手前はカリコ模様の個体。 卵胎生

ソードテール

Xiphophorus hellerii

放置でどんどん殖える卵胎生の定番。プラティと交雑して雑種になりやすく、増やすほど値が付かない「ミックス」に沈むのが難点です。

単価 172円〜
繁殖のしやすさ
育てやすさ

回転が速い種

産卵から出荷できるサイズになるまでが短い順。 回転が速いほど、同じ水槽で年に何回も殖やせます。

種 繁殖形態 産卵〜出荷 1ペアの月間産出 繁殖のしやすさ
ハニーグラミー 泡巣 61〜77日 —
スマトラ バラマキ産卵 61〜92日 —
プリステラ バラマキ産卵 61〜123日 —
コリドラス・パレアタス 産着卵 63〜95日 —

月間産出は「1回の産仔数 ÷ 産卵間隔」で出した理論値で、親が1か月に産む数です。 生存率は確実なデータが無いため差し引いていません。とくに卵をばらまく種(ゼブラダニオなど)は親が卵を食べるので、 実際に育つ数はこの上限よりずっと少なくなります。卵胎生(稚魚を産む種)は実数がこれに近くなります。

繁殖の育て方ガイド

種をまたいで共通する技術です。産卵床の作り方、稚魚(針子)の餌と容器、グリーンウォーター、水合わせ、夏越しまで、出典つきで手順にしています。

稚魚の育成

針子(稚魚)を餓死させない育て方

家庭繁殖でいちばん多い失敗が、孵化した稚魚の餓死です。卵生と卵胎生の違い、初期飼料をいつ何に切り替えるかを、口の大きさ順に整理します。

産卵・孵化

メダカの産卵時期と卵の育て方

明るい時間13時間前後・水温18〜20℃以上で産み、関東の屋外なら盛りは5〜8月。見つけた卵を親から離し、水道水で毎日替え、塊をほぐして無精卵を取り除く手順と、孵化日数の目安(25℃で約10日)まで。

稚魚の育成

メダカの針子を育てる容器と設備

針子の生存率は餌より先に容器で決まります。水量と密度の目安、容器の選び方と色、底床とフィルターを入れない理由、水換えではなく足し水にする理由、分けるタイミングまで。

初期飼料

グリーンウォーターの作り方と使い方

植物プランクトンで緑に濁った水。針子が24時間いつでも食べられるので餓死を防げます。作り方・濃さの目安・夜間酸欠の注意、そして「アオコ(有害な藍藻)」との違いまで。

初期飼料

ブラインシュリンプの沸かし方

多くの稚魚の初期飼料の定番。塩分・水温・時間の条件、殻と幼生の分け方、栄養を落とさない与え方を、手順とコツで解説します。

初期飼料

ゾウリムシ・インフゾリアの培養と与え方

ブラインシュリンプすら大きすぎる極小の針子のための「最初の生き餌」。ゾウリムシとインフゾリアの違い、培養のしかた、腐らせず与えるコツを整理します。

繁殖の準備

産卵床の作り方と選び方

卵を親に食べさせず回収するための足場。メダカは浮かべるタイプ、卵をばらまくテトラ類は沈めるモップと、繁殖タイプで選び分けます。自作の手順つき。

購入

生体の通販での買い方・死着補償の読み方

繁殖用の親を通販で買うときの実務。稚魚か成魚か、成長段階の呼び方、未選別と固定率、雌雄の偏り、送料の積み方、そして死着補償の本当の中身と受け取り当日の手順まで。到着後の水合わせは別記事へ。

導入

水合わせ・温度合わせのやり方

買ってきた親魚・親エビを死なせずに水槽へ入れるための順応作業。基本手順と、エビや敏感な魚に使う点滴法を、失敗しやすい点とあわせて解説します。

水質トラブル

メダカの水が白く濁る原因と対処

屋外容器が白く濁る原因は、ほとんどが有機物の入れすぎです。濁りの色による切り分け、白濁の正体、手当ての順番、そして全換水がなぜ逆効果になるのかを整理します。

混泳

メダカと混泳できる生き物の選び方

水温・終生サイズ・飢餓時の食性・殖えるかの4点で判定します。屋外の本命はミナミヌマエビ。稚魚への食害は情報源が割れるため両論で、放流と外来個体群の問題も正直に書きます。

屋外飼育

屋外ビオトープでメダカを繁殖させる

ヒーター不要・電気代ゼロ、日光でできる青水が稚魚の餓死を防ぐ。屋外繁殖が有利な理由と、立ち上げ・四季の管理・天敵対策を解説します。放流をしない約束も。

夏の管理

メダカの夏越し・高水温対策

屋外飼育の最大の山場。判断は気温でなく水温、水温を決めるのは容器。すだれの掛け方、猛暑日の緊急対応、酸欠(鼻上げ)の切り分けを、実測と専門店の記述で解説します。

道具・セットアップ

サワガニの飼い方と道具一式

一生を淡水で過ごす在来のカニ。必要なものを実際に商品ページを確認して一覧にしました。陸地の要否と適水温は情報源が割れているため両論で。脱走対策・混泳の可否・肺吸虫の注意まで。

表現・選別

改良メダカの体外光・ヒレ長・選別のコツ

同じ稚魚でも育て方と選別で見た目と値段が変わります。体外光は白容器で若魚期に、ヒレ長は高水温・低密度で、体色は黒容器で締める。白黒の使い分けと選別・種親の雌雄比まで、数値は幅で正直に。

育て方ガイドの一覧/飼育の基礎(水づくり・立ち上げ・水換え)/コケ取り生体の比較/金魚の種類と見分け方