フグの種類と見分け方
かんたんに言うと
トゲの有無・白い点か黒い斑点か・尻ビレの色で見分ける。ただし雑種が多く素人の判別は難しい。どの種類でも、釣ったフグは自分で調理せず持ち帰らない。
目次
このページは「食べてよいフグ」を見分けるためのものではありません。 厚生労働省は、釣ったフグも人からもらったフグも自分で調理しない・人に譲らない、資格のある人に処理を頼めないなら食べないよう呼びかけています。フグの毒は加熱・塩もみ・水にさらすことでは消えず、有効な解毒剤もありません。食べてしびれなどが出たらすぐに医療機関へ。
6種の見分けのポイント
東京都中央卸売市場の衛生検査所・厚生労働省・鳥取県のふぐ処理師試験の記述を並べたものです。
| 種類 | 模様 | 背と腹のトゲ | 尻ビレ | 胸ビレの上の黒い斑 | 大きさ |
|---|---|---|---|---|---|
| クサフグ | 暗い緑色に小さな白い点がたくさん | ある(ざらざら) | 白 | ある | 15cm前後まで |
| コモンフグ | 褐色に大きさのまちまちな丸い白点、背に暗い帯 | ある | 淡い黄色 | 無い | 25cmくらいまで |
| ショウサイフグ | 茶色の地に濃い褐色の模様(大きいものは点状) | 無い(なめらか) | 白(尾ビレの下のふちも白) | 無い | 35cmほど |
| ヒガンフグ | 赤みのある褐色に黒い斑点 | 無い(皮に小さなイボ) | — | 無い | 35cmほど |
| マフグ | 暗い緑褐色〜黒褐色(幼魚は白い斑点) | 無い | 黄色 | ある(白い縁取りは無い) | 50cmほど |
| ゴマフグ | 藍色の小さな点がごまのように密 | ある | レモン色 | — | 40cmほど |
組み合わせで見る尻ビレが黄色いのはコモンフグ・マフグ・ゴマフグ、トゲが無いのはショウサイフグ・ヒガンフグ・マフグです。1つの特徴だけで決めず、組み合わせで見ます。マフグとよく比べられるトラフグは、背と腹にトゲがあり、胸ビレの後ろの黒い紋が白く縁取られます。
素人の見分けが難しい理由
雑種が多い:厚生労働省は、トラフグの仲間は自然界で雑種が多いとしています。宮城県南三陸町の定置網(2022年)では、尻ビレが黄色くトゲのある「ショウサイフグに似た魚」が最大で15%ほど混じっていて、DNAで調べた研究ではゴマフグ×ショウサイフグなどの雑種や、その次の世代の雑種まで見つかっています。雑種には、交雑相手の毒の強さが受け継がれることが示唆されています。
名前が当てにならない:厚生労働省の通知に載っている地方名を見ると、ショウサイフグを「ゴマフグ」「マフグ」と呼ぶ地域があり、逆にナシフグ・マフグ・クサフグを「ショウサイ」と呼ぶ地域があります。「ナゴヤ」「モフグ」はショウサイフグ・コモンフグ・ヒガンフグのどれにも使われ、東京でヒガンフグを指す「アカメフグ」は別の種類の標準和名でもあります。
同じ種類でも毒の強さが違う:毒の強さは海域や個体で大きく違います。岩手県の越喜来湾・釜石湾、宮城県の雄勝湾で獲れたコモンフグとヒガンフグは筋肉にも強い毒を持つ個体が多く、国の基準で全身が食用不可です。ほかの海でも、コモンフグの筋肉から毒が出た年があります。
釣れたときは
素手で強くつかまず、魚ばさみなどで持って針を外し、生きているうちに海に戻すのが安全です。厚生労働省の広報誌は「ふぐ処理者のいる店に持ち込むか、海に戻す」、島根県益田保健所は「フグが釣れても持ち帰らないようにしましょう」としています。2019年には広島県呉市で、自分で釣ったコモンフグ(推定)を調理して食べた人が亡くなっています。
堤防で一緒に釣れる魚と危険な魚は堤防で釣れる魚と釣れる時期、刺す毒のある魚は毒・危険のある魚の一覧へ。
よくある質問
堤防や海でよく見るフグの種類は?
フグの種類はどこで見分けますか?
種類が分かれば、釣ったフグを食べてもいいですか?
フグを食べてしびれたらどうすればいいですか?
情報源・注記
見分けのポイントは東京都中央卸売市場 衛生検査所、厚生労働省「自然毒のリスクプロファイル」、鳥取県ふぐ処理師試験、コモンフグは Matsuura(2017)。雑種は宮城県水産技術総合センター(2023年)と厚生労働科学研究(2023年)。地方名は厚生労働省の通知(フグの名称一覧)と鳥取県ふぐ処理師試験。三陸3海域の扱いは厚生労働省の有毒魚の部位の表、コモンフグの他海域の筋肉の毒は厚生労働科学研究(2015〜2017年度)。釣れたときの扱いは厚生労働省・島根県益田保健所、呉市の事例は厚生労働省(2019年)。各種の詳しい出典は種のページにあります。食べられる部位の一覧は、読者に判断を委ねる形になるため載せていません。