“比較的マシ”な順

儲けやすさランキング(それでも黒字は出ません)

かんたんに言うと

強いて「まだ売る意味がある順」を付けるなら、普段の単価が高い(安売り競争に最初に潰されにくい)種です。ただし1位でも、事業として黒字にはなりません。

このサイトの結論は「個人が繁殖して売って儲けるのは、ほぼ成立しない」です。そのうえで強いて順位をつけるなら、普段の単価が高い=東南アジアの養殖場の安売りに最初に潰されにくい種が「比較的マシ」です。単価の高い順に並べました。

  1. 1 ダブルレッドのオス。背ビレ・尾ビレの赤と伸びたヒレが高値の理由。日本で売られるのはこうした改良品種が中心で、ワイルド(採集個体)はもっと地味で高価。 洞窟産卵 アピストグラマ・カカトゥオイデス Apistogramma cacatuoides 単価:2,000〜2,600円 店頭では1匹2千円超の高級魚。でも個人が売れるのは1匹500円ほどで、月に全国で数口しか動きません。
  2. 2 野生型のオス。赤い目、黒い体側斑、青いラメ、伸びた背ビレの棘が特徴。日本で売られるのはブルーダイヤモンドやバルーンなどの改良個体が中心で、この野生型はほとんど流通しない。 産着卵 ラミレジィ Mikrogeophagus ramirezi 単価:970〜2,020円 見た目は高級魚ですが、改良個体が1匹千円ほどで大量に出回り、買った親が繁殖しないことも多く、個人が売る余地はほぼありません。
  3. 3 コリドラス・ステルバイ。黒い頭に白い斑点、オレンジの胸ビレが目印。人気が高く、コリドラスの中では単価もつく。 産着卵 コリドラス・ステルバイ Corydoras sterbai 単価:920〜1,100円 コリドラスで唯一、家庭繁殖が採算に近づく種。単価が赤コリの約4倍で、産卵する親は競りで値が付きます。
  4. 4 ドワーフグラミーのオス。メスは体色が地味で、背ビレが丸みを帯びる。 泡巣 ドワーフグラミー Trichogaster lalius 単価:865〜1,150円 ベタと同じ泡巣ですが、オス同士が殺し合わないので瓶に分ける必要がありません。
  5. 5 ベタのオス。長いヒレと鮮やかな体色が特徴で、メスは地味でヒレが短い。 泡巣 ベタ Betta splendens 単価:800〜5,600円 オスが泡の巣を作って子を育てます。単価は高いですが、選別で9割以上が売り物になりません。
  6. 6 ボリビアンラム(アルティスピノーサ)。茶〜黄の体にヒレの赤い縁取り。目を通る黒い線と体側の黒点が特徴。派手ではないが上品な小型シクリッド。 産着卵 ボリビアンラム Mikrogeophagus altispinosus 単価:460〜920円 ラミレジィの弱点を全部克服した丈夫でよく殖える「繁殖の優等生」。なのに地味で人気がなく、ヤフオク落札は半年で0件。売れません。
  7. 7 パールグラミー。全身の真珠のような白点と体側の黒いライン、糸状に伸びた腹ビレが特徴。最大12cmになる大型のグラミー。 泡巣 パールグラミー Trichopodus leerii 単価:433〜1,060円 美しく温和で雌雄も見分けやすく多産と、繁殖は最も素直なグラミー。でも最大12cmと大型で水槽も時間もかかり、単価が安く採算は合いません。
  8. 8 クリブ(ペルヴィカクロミス・プルケール)のオス。体側の黒いラインと尾ビレの眼状斑が特徴。オスはメスより大きいが、色はむしろメスのほうが派手。 洞窟産卵 ペルヴィカクロミス・プルケール Pelvicachromis pulcher 単価:370〜800円 とても丈夫でよく殖えるシクリッドですが、その多産が仇になります。安く大量に出回り、売り先は月に数口しかありません。
  9. 9 黄変品種(ゴールデン)。日本で「ゴールデンハニードワーフグラミー」として売られているのはこの姿で、原種はほとんど流通していない。 泡巣 ハニーグラミー Trichogaster chuna 単価:345〜460円 産卵は易しくオスを瓶に分ける必要もありません。ただし売り先が月30匹ほどしかありません。
  10. 10 オトシンクルス(並オト)。丸い吸盤状の口で茶ゴケを舐める。写真は Otocinclus macrospilus。並オトは vittatus と macrospilus が区別されず混ざって流通する。 産着卵 オトシンクルス Otocinclus vittatus 単価:295〜500円 コケ取りとして常に売れるのに、家庭繁殖はほぼ未確立で供給は輸入頼み。個人が作れないから、逆に儲けようがない魚です。
  11. 11 エンドラーズのオス。体長25mmほどの小さな体に強い発色を載せる。 卵胎生 エンドラーズライブベアラー Poecilia wingei 単価:250〜800円 親が稚魚をほとんど食べないので隔離が要らず、放っておいても殖えます。ただしグッピーと交雑します。
  12. 12 コリドラス・パレアタス(青コリ)。灰色の地に黒斑、体にわずかな青緑の光沢。低水温に強く無加温でも飼える、コリドラス最強クラスの入門種。 産着卵 コリドラス・パレアタス Corydoras paleatus 単価:250〜300円 水換えで水温を数℃下げると産卵します(呼び水)。ただし1匹250円で、個人が殖やして売る余地はほとんどありません。
  13. 13 スマトラ。銀オレンジの体に黒い4本の帯、ヒレと吻に赤が入る。種小名 tetrazona は「4本の帯」の意味。 バラマキ産卵 スマトラ Puntigrus tetrazona 単価:245〜347円 丈夫でよく殖える定番のコイ科ですが、ヒレの長い魚を齧るため混泳を選びます。単価も安く売り先に困る、殖やす意味の乏しい魚です。
  14. 14 コリドラス・アエネウス(赤コリ)。赤銅色の体にメタリックグリーンの帯。最も普及した入門コリドラス。 産着卵 コリドラス・アエネウス Corydoras aeneus 単価:240〜300円 白コリはこの魚のアルビノで、値段も同じです。呼び水で殖えますが1匹240円、個人の売り先はほぼゼロです。
  15. 15 レッドビーシュリンプ。白と赤の帯模様の入り方でグレードが分けられる。 抱卵 レッドビーシュリンプ Caridina logemanni 単価:195〜280円 単価はミナミの10倍近くありますが、水質の作り込みと選別が要り、相場は下降局面です。
  16. 16 ブラックモーリー。単一の種ではなく、黒を固定した交雑改良品種。写真はライヤーテール型。 卵胎生 モーリー Poecilia sphenops 単価:192〜333円 藻や油膜を食べて多産ですが、硬水・塩・大きな水量を要し、よろけ病にも弱い難物。単価は200円台で、採算は卵胎生で最も取りにくい魚です。
  17. 17 ラスボラ・ヘテロモルファ。体側の黒い三角模様が特徴。 産着卵 ラスボラ・ヘテロモルファ Trigonostigma heteromorpha 単価:183〜347円 葉の裏に卵を産み付ける珍しい繁殖をします。ただし家庭での繁殖例はほとんど報告がありません。
  18. 18 プラティ。グッピーと違い、オスもメスも同じ体色をしている。 卵胎生 プラティ Xiphophorus maculatus 単価:173〜557円 グッピーと同じくらい簡単に殖えます。オスもメスも同じ体色なので、メスも売り物になるのが違いです。
  19. 19 ソードテール。奥のオスは尾の下葉が剣のように伸びる。手前はカリコ模様の個体。 卵胎生 ソードテール Xiphophorus hellerii 単価:172〜760円 放置でどんどん殖える卵胎生の定番。プラティと交雑して雑種になりやすく、増やすほど値が付かない「ミックス」に沈むのが難点です。
  20. 20 メダカ(Oryzias latipes)。幹之メダカは、この背側が青白く光る「体外光」を持つように改良された品種。 産着卵 幹之メダカ Oryzias latipes 単価:150〜307円 背中が青白く光る「体外光」でメダカブームを起こした品種。でも選抜すれば誰でも殖やせて、今や最高グレードの鉄仮面でも1匹数百円の普及品です。
  21. 21 グッピーのオス。派手な体色と大きな尾ビレはオスの特徴で、メスは地味な体色をしている。 卵胎生 グッピー Poecilia reticulata 単価:140〜375円 オスとメスを一緒に飼うだけで殖えます。成熟したメスは約1か月おきに30〜50匹を産み、家庭繁殖では最も簡単な部類です。
  22. 22 繁殖期のオス。全身が深紅(チェリーレッド)に染まる。これが名前の由来。 バラマキ産卵 チェリーバルブ Puntius titteya 単価:134〜260円 家庭で殖やせる数少ないバルブ。丈夫でバラマキ産卵し稚魚も育てやすいのに、単価が安く出口が無く採算は合いません。
  23. 23 プリステラ。半透明の体から名前(X-ray=レントゲン魚)がついた。背ビレと尻ビレの黒・白・黄の三色の帯が目印。 バラマキ産卵 プリステラ Pristella maxillaris 単価:109〜153円 カラシンでは珍しく家庭で殖やせる丈夫な入門種。でも1匹100円ほどと安すぎて、殖やしても売り物にならないのはネオンと同じです。
  24. 24 カージナルテトラ。ネオンと違い、赤が目から尾まで全身に走る。繁殖が最も難しく、今も大半が野生採集される魚。 バラマキ産卵 カージナルテトラ Paracheirodon axelrodi 単価:100〜180円 家庭繁殖で最も難しい魚のひとつ。だから今も大半が野生採集です。1匹100円で個人の出る幕はありません。
  25. 25 ゼブラダニオ。ゲノムが完全に解読され、ヒトと約70%の遺伝子を共有する。 バラマキ産卵 ゼブラダニオ Danio rerio 単価:93〜120円 1回に200〜300個も産む多産な卵生魚です。数は採れますが、品種差が2倍しかなく値が付きません。
  26. 26 ブラックネオンテトラ。黒い帯とその上の白〜緑に光るライン、赤く縁取られた目。ネオン・カージナルとは別属で、繁殖はカラシンの中では易しい方。 バラマキ産卵 ブラックネオンテトラ Hyphessobrycon herbertaxelrodi 単価:90〜120円 テトラの中では殖やしやすい方。でも1匹90円で、殖やしても売り先はありません。
  27. 27 ネオンテトラ。青く光る帯と、後ろ半分だけの赤。熱帯魚の定番だが、家庭で殖やすのは最難関の部類。 バラマキ産卵 ネオンテトラ Paracheirodon innesi 単価:62〜95円 繁殖は最難関の部類(超軟水+遮光)なのに1匹60円台。個人が殖やして売る意味はありません。
  28. 28 レッドチェリーシュリンプ。色は血統に依存し、薄い個体からは薄い子しか産まれない。 抱卵 レッドチェリーシュリンプ Neocaridina davidi 単価:55〜135円 ミナミヌマエビと同じ手軽さで殖え、色がつくぶん少し高く売れます。ただし混ぜると色が消えます。
  29. 29 日本メダカ。改良メダカはこの在来種を元にした品種の総称で、数百種類あるとされる。 産着卵 改良メダカ Oryzias latipes 単価:46〜1,000円 屋外でヒーターなしに殖え、繁殖の入門としては最良です。ただし高い品種ほど速く値崩れします。
  30. 30 ヤマトヌマエビ。体側に点が並ぶのが特徴。ヌマエビの中では大きく、コケ取り能力は最強クラスで糸状藻も食べる。 抱卵 ヤマトヌマエビ Caridina multidentata 単価:39〜162円 コケ取り最強で常に売れるのに、幼生が汽水でないと育たず家庭ではほぼ殖やせない。売れるのに作れない、ミナミの真裏の魚です。

この順位の付け方

順位は普通個体の実売単価(安い側)の高い順で、同点は繁殖用ペアの相場で調整しています。ただし「単価が高い」は儲かるための必要条件であって十分条件ではありません。高い種は需要が薄い、あるいは選別に生き残った数字を見ているだけ、ということが多く、結局は黒字になりません。

1位でも「儲かる」わけではありません

このランキングは「強いて順位をつけるなら」の並びです。当サイトが全種の相場を調べた結論は、 どの魚も個人が繁殖して売って黒字にするのはほぼ不可能、というものでした。 単価が高い種は需要が薄く、殖やしやすい種は単価が安い。理由と数字は 「小型魚の繁殖は儲かるのか」にまとめています。

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